ポラスグループのポラスガーデンヒルズは8月5日、先に平均2倍の倍率で即日完売した戸建て「Living Darden流山セントラルパーク」のメディア向け見学会を行った。駅から徒歩4分の全3棟で、「庭間(テーマ)のある家」をテーマにエクステリア、ファサードそれぞれのデザイナーとコラボし、住宅と庭・外構を一体として商品化したレベルの高い戸建てだ。
物件は、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅から徒歩4分、流山市古間木の区画整理事業地内の一角に位置する全3棟。土地面積は158.25~165.31㎡、建物面積は92.95~98.55㎡、価格は5,180~5,380万円。建物は木造軸組工法2階建て、竣工済み。
3棟とも完成販売とし、7月13日に抽選の結果、最高5倍、平均2倍で即日完売した。
現地は、大規模公園に隣接。商品化に当たっては、エクステリアデザイナーのグランフェイス・大熊一幸氏と、ファサードデザインに実績のあるYKK APエクステリア部・深川英樹氏とコラボ。高低差のある敷地の特徴を生かし、緩やかな段差で緩やかにつながる空間構成を行い、外-庭-住宅が緩やかにつながる容積算入の「リビングガーデン」を設置しているのが特徴。
見学会で、同社設計部街並デザイン室・松井孝治氏は、「来場者からは『パースよりいい』『予想以上にいい』『価格が安い』などの評価を頂いた。もう少し高くても売れたかも」などと語り、同社設計部管理建築士・安藤欣司氏は「今までの概念とは違う庭をつくった。よく見ていただきたいと」と力を込めた。
大熊氏は、「ファサードは緑化計画を盛り込んだオープンデザインとし、庭を部屋と一体として使えるよう壁を設け、ファニチュアも置けるよう工夫した。機能と意匠の両立を目指した」と語った。大熊氏は約20年間、ハウスメーカーのエクステリアを担当したのち、8年前に独立。JEXA 日本エクステリア設計協会の主席幹事を務めている。
深川氏は、「壁を立てた庭を提案し、アルミのフレーム、縦ルーバー、アルミ鋳物、木樹脂などを多用した」と話した。
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前日はRBA野球大会の取材のため炎天下の三郷の河川敷のグラウンドで4時間立ち尽くし疲れ果てている小生は、分譲住宅の契約戸数が2,654棟(2019年3月期)もあるポラスがどうしてわずか3棟の物件見学会を、しかも夕方の5時に行うのだろうといぶかりながら出かけた。(道に迷ったため20分歩き、汗だくになったおまけつき)
その謎はすぐ解けた。建物を見てすぐ、「庭間(テーマ)のある家」のコンセプトがすぐ伝わってきた。記者はアルミ鋳物の格子に惚れこんだ(写真参考)。幅が異なる3種の格子を等間隔ではあるが角度を変えているため、見る角度により微妙に表情が異なる。この種の格子デザインの嚆矢でもある、隈研吾氏がデザイン監修した「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト」マンションを思い出した。
値段を聞いてびっくりした。記者は、この沿線のマンションや戸建てをたくさん取材しているのでおおよその相場は把握している。流山セントラルパークは、駅周辺に生活利便施設がほとんどないのが難点だが、立地条件からして値段は5,000万円台の後半だろうと読んだ。「予想以上にいい」「価格が安い」と松井氏がストレートにお客さんの評価を伝えたとおりだと思う。
なぜ、それほどまでに安くしたのか。多分、同社はこの流山セントラルパークエリアではこれまで分譲事例がなく、今後大量に供給するための布石を打つために商品力を高め、価格を抑えたのだろうと理解した。3棟現場だからこそ思い切った企画で勝負できたのだろうと合点がいった。
来場者の「パースよりいい」というのは、今回の物件に限ったことではない。パースより実物がいいのはいつものことだ。同社の課題だ。パースを本物に近づけることが必要だと思う。
もう一つ注文。これは同社の物件に限らないのだが、階段が尺モジュールなのが気に入らない。小上がり部分も含めステップを17段も取っているのだから、ここはメーターモジュールにして差別化を図るべきだ。
さらに言えば、踊り場付きの回り階段やサーキュラー階段にすれば事故は劇的に減るはずだし、電動滑り台にしたら上り下りはものすごく楽になるはずだ。各社は2階建てのネックである階段にどうして力を入れないのか。