日本橋再生の第3ステージは〝共感・共創・共発〟-三井不動産は8月29日、菰田正信社長が記者会見し、今春の「日本橋室町三井タワー」の竣工をもって日本橋再生計画は第3ステージに進んだとし、新たなステージでは〝共感・共創・共発〟をスローガンに掲げ、「豊かな水辺の再生」「新たな産業の創造」「世界とつながる国際イベントの開催」の3つの街づくりを、旧日本橋区に相当する「GREATER日本橋」を舞台に展開すると発表した。100名超の報道陣が集まった。
菰田社長は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」を開発コンセプトに、バブル崩壊を受けて取り組んできた「日本橋再生計画」は大きな成果を上げたと総括し、その結果、老若男女を問わず集う賑わいを創出し、街のグローバル化が図れたと振り返った。
第3ステージは、「日本橋再生計画第2ステージ」で掲げた「産業創造」「界隈創生」「地域共生」「水都再生」の4つのキーワードを踏襲しながら、「未来に続く街道の起点、日本橋」にすると語り、「(水辺の再生などは)ハードルが高く、時間もかかるかもしれないが、世界から人・もの・ことが集まる街づくりを必ずやり遂げる決意」と力を込めた。
同社日本橋街づくり推進部長・ 七尾克久氏は「場所と機会の提供だけではなく、共に同じ輪に入っていくようにする」と、地域との〝共感・共創・共発〟の街づくりを進めると強調した。
会見後は、一般社団法人SPACETIDE共同設立者・理事・COOの佐藤将史氏をモデレータに、ANAホールディングスデジタル・デザイン・ラボ チーフ・ディレクター兼グループ経営戦略室アバター準備室室長・津田佳明氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 新事業促進部事業開発グループJ-SPARCプロデューサー/Space Food X副代表・菊池優太氏、七尾氏による「宇宙ビジネスと日本橋の街づくり」をテーマとしたトークセッションを行った。
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第3ステージでもっとも注目したいのは「豊かな水辺の再生」だ。2008年だった。記者は三井不動産のイベントで初めて日本橋川下りを体験した。あまりにもひどい光景に怒りを込めて「これでいいのか 川に背を向ける日本橋の街」の見出しを付けて記事にした。
当時、岩沙弘道社長は「わたしが生きている間に高速道路を取っ払い、日本橋にきれいな水が流れるようにしたい」と語ったのも印象に残っている。
あれから10年が経過した。この日、菰田社長は「ハードルは高く、時間がかかりそうだが必ず(豊かな水辺の再生)を実現する」と力を込めた。
竹橋~江戸橋(日本橋区間)の2.9kmの高速道路については2028年までに1,412億円をかけて改修することになっているが、あと10年だ。高速の地下化は本当に実現するのか。記者は生きているだろうか。
「宇宙ビジネス」はちんぷんかんぷん。世界に負けないよう頑張ってほしいとしかいいようがない。