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2019/09/07(土) 20:04

「環境はCSRでなくビジネスだ」 積水ハウスの〝環境大臣〟 石田建一常務 熱く語る

投稿者:  牧田司

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石田氏

 積水ハウスの〝環境大臣〟常務執行役員 環境推進担当・石田建一氏が9月6日行われた同社の経営計画説明会で「環境セミナー」と題して同社の環境戦略について熱っぽく語った。

 冒頭、「当社は何を売っているか」「家を売っているのではない。夢を売っている」「人の心を豊かにするというミッションを掲げるスタバと一緒、幸せ人生を提供し、住宅を健康・快適・安全・安心の世界で一番幸せな場所にするのが我々のミッション」-などと「夢」「豊かな心」「幸せ」などのフレーズを惜しげもなく口にした。

 次いで、自らの名前「建一」は大工だった父親が「日本一の大工」になることを願い名付けたこと、「勉強などするな」と言われながら大学院にまで進むと、父親から「家を出ていけ」と言われたことなどと生い立ちに触れ、日本一の大工にはなれなかったが、自社の環境の取り組みは「誰一人取り残さない」SDGsの理念に合致するもので、同社のZEH住宅の実績棟数は世界一であることを誇らしげに語った。

 そのあとは石田氏の独演会。圧倒的な実績を誇るZEH住宅は、CO2削減のために頑張らなくとも自由に暮らせる心地よい住宅であることを強調。脱炭素は世界の潮流であり、マーケットはいやおうなくZEHに向かうとし、同社の産業界に先駆けたRE100宣言、TCFD賛同や生物多様性保全の「5本の樹」計画などの取り組みは戸建て1棟単価3,875万円(2007年は3,105万円)、ZHH比率は85%(2019年4月~7月実績)、売上高営業利益率8.8%(2007年は6.9%)、顧客満足度42.3%(2007年は32.6~28.6)など業績向上につながっており、確実に成果を上げていると話した。

 カーボンプライジング(CP)導入については、CP1万円/t-CO2の場合、同社のCP価格は172億円で、売上比率で約1%と大きな影響を受けないと語った。 

 また、エネルギー政策については私論としながら、「再生可能エネルギー100%が理想。これから原発の新規稼働は難しいのでは。政府が明確な目標を定めるべき」と踏み込んだ発言をし、「当社の環境の取り組みはCSRではない。ビジネスだ」と締めくくった。

◇       ◆     ◇

 石田氏を〝環境大臣〟と呼んだのは仲井嘉浩社長だ。ぴったりだと思う。その石田氏をはじめ経営計画説明会、セミナーに参加していた同社関係者の多くがSDGsバッジを胸に着けていた。

 広報によると、バッジは3時間の研修などを受けた社員に配布しており、職責以上の約2,600人が付けているという。

 石田氏は「バッジそのものに意味はない。付けている本人がSDGsの何に貢献するかだ」と話した。(記者はレベルの高い住宅を供給し、SDGsの取り組みに熱心な企業を応援する記事を書いているので多少は貢献していると思うが、バッジをすすんで付けようとは思わない。これ見よがしの意思表示はしたくないし、バッジは大きすぎる。積水も住林も社章の2倍くらいあるのではないか。タイピン、カフスボタン、イヤリングはどうか)

 驚いたことに、同社は環境省「プラスチック・スマート」にも参加しており、事業者などへ強いメッセージを示すため、社内の自動販売機からペットボトル容器入りの飲料をなくし、会議でのペットボトル配布も禁止したという。

 

 

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