全国最大の542ホテル約9万室を展開するアパホテルは9月30日、ホテル単体の客室数としては日本最大の2,311室を誇る「アパホテル&リゾート<横浜ベイタワー>」を開業した。開業式典と開業フェスティバルを合わせて2,016名が参加した。
同日、記者発表会に臨んだアパグループ代表・元谷外志雄氏は、「今日は読売新聞全ページ、昨日は産経新聞見開きの広告を出した。今日は天気も非常によく日本晴れ。『JAPAN』の中心は『アパ(APA)』です。前から読んでも後ろから読んでも『アパ(APA)』。2002年に本社機能を東京に移し、2010年から『頂上作戦』を展開し、(このホテル用地を)高値買いしたが、最高級の4,600人が泊まれるホテルが完成した。常識的には〝儲からない〟かもしれないが、2007室ある『幕張』は90%の稼働率。横浜エリアで駅から3分の立地ならビジネスにも内外の観光客とさらにプール、大浴場などを備えたリゾート感覚を味わえるホテルにした。早期の高稼働が期待できる。1日売りではなくタイムセールを導入しており、2回転、3回転できるようにした結果、東京の稼働率は100%を超えている。リーズナブルな価格設定と、環境にやさしい設備仕様にし、無駄を省けばまだまだ伸ばせる。2020年には10万室を目指すが、その3倍でも選んでいただけるホテルにできる。わが国のホテルは当社のような新都市型ホテルに収斂していく」と、約30分にわたって熱弁をふるった。
アパホテル社長・元谷芙美子氏は「言葉は慎まなければなりませんが、〝アパじゃない〟と思えるほど立派なホテルが完成して感動しました。ホスピタリティ溢れる運営を行い、高稼働できるよう頑張ります。日本一のホテル社長を目指します」と話した。
主な参加者は三井住友銀行副会長・成田学氏、コートジボワール共和国大使館特命全権大使 ジェローム・クロー・ウェヤ閣下、ジャマイカ大使館特命全権大使クレメント・フィリップ・リカード・アリコック閣下、東京国際大学理事長 総長・倉田信靖氏、外交評論家・加瀬英明氏のほか、国会議員の原田義昭氏(前環境大臣)、馳浩氏(元文部科学大臣)、櫻田義孝氏(前国務大臣)、鷲尾英一郎氏、片山さつき氏(前内閣府特命担当大臣)、和田政宗氏(国土交通大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官)など。
同ホテルは、みなとみらい線馬車道駅から徒歩3分、横浜市中区海岸通五丁目に位置する35階建て全2,311室(シングル736室、ダブル630室、スタンダードツイン458室など)。ルームチャージは11㎡シングル・ダブルが1.8万円、14㎡のツインが2.6万円、15㎡のトリプルが4.35万円、120㎡のスイートが30万円など。デザイン監修は新居千秋都市建築設計。設計は久米設計。施工は大林組。
共用施設は、最大約600名収容できる宴会場、約200名が利用できるレストラン、112のロッカーを備えた大浴殿(男性向け)、屋外温水プール、フィットネス、カフェなど。約50㎡の滝を配した1,957㎡のイベント広場も備えている。
客室は、50型以上の液晶テレビを設置。テレビ画面から大浴殿の混雑状況を把握でき、チェックアウト時間の延長手続きもテレビリモコンで操作できるセルフ機能を搭載している。
また、自動チェックイン機にQRコード決済が可能な新機能を搭載、ルームキーを投函するとリアルタイムでチェックアウト処理が行えるようにしている。
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元谷節がさく裂した。いきなり、最近の用地の上昇などに触れ、「先ほど(用地の)入札を行ったが、1.5倍高値で学校法人に負けた。2010年に東京で『頂上作戦』を開始した時の一種単価はせいぜい100万円だったが、いまは400万円以上。建築費も倍に上昇しているが、アパの収益力をもってすれば、競争に勝てる。現在、53のホテル、19,000室を計画・建築中だが、全ての費用を賄って利益は362億円確保できている。韓国の訪日客が48%減少したが、当社は中国も含めて韓国のお客さんの比率は高くない。欧米が増えている。ドミナント戦略に沿って福岡ではFCも含めて8つのホテルを建設するし、六本木では6つで1,000室を超えるホテルをつくる」などと話した。
客室を見て回ったが、驚いたのは「バリアフリーツイン」と謳ったトイレ・浴室の段差がない19㎡の客室のほかはほとんどすべてのいわゆる洗面・トイレ・浴槽の3点セットの出入り口は約20cmの段差があったことだ。欧米ではこれがスタンダードなのか。