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2019/10/08(火) 18:25

三井不レジ&三菱地所レジ 初の戸建て〝共演〟 全253区画の「稲毛海岸」分譲

投稿者:  牧田司

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〝呉越同舟〟三井不レジ(左)と三菱地所レジの「稲毛海岸 美浜の杜シティ」タウンゲート

 三菱地所レジデンスと三井不動産レジデンシャルは10月8日、千葉市美浜区稲毛海岸に位置する全253区画の大規模戸建て「稲毛海岸 美浜の杜シティ」のメディア向け現地見学会を行った。従前敷地は2社のグループ企業が保有しており、これまで市民プール、住宅展示場、商業施設として利用されていた。両社が分譲戸建てで〝共演〟するのは今回が初めて。

 物件は、JR京葉線稲毛海岸駅から徒歩12分、千葉市美浜区稲毛海岸2丁目に位置する開発総面積約40,000㎡超の全253 区画(三菱地所レジデンス139区画、三井不動産レジデンシャル114区画)。用途地域は第一種中高層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率60・70%、容積率200%)。10月下旬に分譲開始する。エネファームを標準装備。

 今回分譲する三菱地所レジデンスの第1期(27戸)は、敷地面積110.08~135.21㎡、建物面積96.05~122.16㎡、価格は未定だが、4,500万円台が中心になる模様。建物は完成済み。設計・監理・施工は三菱地所ホーム。

 三井不動産レジデンシャルの第1期(26戸)は、敷地面積110.40~135.38㎡、建物面積106.07~122.79㎡、予定価格4,300万円台~5,200万円台(最多価格帯4,400万円台・4.800万円台)。建物は完成済み。施工はエステーホーム、西武建設。

 公園のような街づくりを目指し、駅にもっとも近いところにメインゲートを設置、各街区にシンボルツリーとしてアオダモ、サルスベリ(赤・白)、ヤマボウシ、ハナミズキ、エゴノキを植樹、千葉市緑化率ルール(1宅地高木換算4本)を厳守する。

 外観デザインは「アールデコ」をテーマに建物・外構ガイドラインを設定して統一感を図る。街の中央部に集会所を設け、コミュニティ支援を行う。タウンセキュリティも導入する。

 これまでの来場者数はそれぞれ約100件。来場者の現住所は美浜区、稲毛区を中心に約45%が千葉県。

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空撮

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敷地配置図

◇       ◆     ◇

 三井不動産レジデンシャルはバブル崩壊後、それまでの面開発から撤退はしたが、都市型戸建て「ファインコート」を立ち上げ、コンスタントに戸建てを分譲してきた。2019年3月期の計上戸数は475戸だが、2014年3月期は916戸もあった。大手デベロッパーでは他を圧倒している。

 一方の三菱地所レジデンスは、バブル前は大規模分譲地を手掛けていたが、バブル崩壊後は仙台市の総開発面積1,070haという民間の住宅地開発としてはわが国最大の「泉パークタウン」も含めどんどん供給が減り、決算セグメントにデータはない。最近は再び戸数を増やしつつあるが、それでも今期は100戸超というから、三井不レジには大きく引き離されている。

 その2社が同じ住宅地で同じような価格帯で分譲するというのだから、どのような商品になるか、今回の見学会を楽しみにしていた。(マンションでは海浜幕張の「パティオス」で民間6社グループが〝共演〟した実績あり)

 見学会で説明を聞き、モデルハウスをみて〝これはいい〟と確信した。両社は2022年春までに完売したいというが、4,500万円台中心という価格設定と、アールデコの圧倒的なデザイン性からすれば、相乗効果も期待でき目標通りに完売できると見た。裏でお互いを罵り合う乱売戦にはならないはずだ。

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三菱地所レジデンスのモデルハウス(価格は5,000万円台の後半とか)

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手前が三菱地所レジ、その奥が三井不レジ

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三井不動産レジデンシャルの住宅

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外構・植栽(三井不動産レジデンシャル)

◇       ◆     ◇

 一つだけ残念だったのは、それぞれ三井ホーム、三菱地所ホームという2×4工法の子会社があり、全館空調を売りの一つにしているのに採用には熱心でないことだった。

 メインターゲットが年収にして500~700万円台の子育てファミリーだからおのずと購買力にも限界があるのはわかるが、もう少し年収が高いアッパーミドルにも訴求できるデザイン性があるのだから、ハウスメーカー並みのZEH住宅を目指してほしかった。

 三井レジは三井ホームの施工を8棟予定しているにもかかわらず、全館空調の採用予定はないという。三井ホームがつい先日、40坪以下の住宅を対象にした132万円の全館空調システム「スマートブリーズ ワン」を開発したではないか。設計を変更してでも採用すべきではないか。

 三菱レジも今回の27棟のうち3棟にしか全熱交換方式の全館空調「エアロテック」採用していない。そのうちの1棟をモデルハウスにしていた。リビング天井高も約2900ミリ。相当力が入っているのがうかがえる。価格は6,200万円くらいになる模様だが、全館空調の良さを訴え切れれば、この住宅は一番人気を呼ぶのではないか。

 

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