ワールドレジデンシャルとニチモリアルエステートが11 月末から12 月上旬に販売を開始する「レジデンシャル築地」を見学した。それぞれ近接する6物件がほぼ同時期に分譲される大激戦地のうちの一つで、三方角地、吹き抜けエントランス、ユニバーサルデザインが特徴。
物件は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩5分、中央区築地6丁目の商業地域に位置する12階建て41戸。専有面積は40.23~73.26㎡、価格は未定だが、坪単価は450万円くらいになる模様。竣工予定は2020年9月下旬。施工は川村工営。
現地は、いかにも「築地」らしい面影を残す道路幅員が西側は約5m、南側と東側はそれぞれ約10mの三方角地。道路を挟んだ南側と東側の建物は低中 層の建物が建ち並び、土地が細分化されていることから高い建物が建つ可能性は少ないと思われる。
建物は内廊下方式を採用、住戸は2階以上で1フロア3~4戸構成。10階までは南東向きが55㎡の2LDK(9戸)と67㎡の3LDK(9戸)、北東・北西向きの54㎡の2LDK(10戸)、40㎡の1LDK(9戸)。上層階の2フロアは73㎡の3LDK(4戸)。
主な基本性能・設備仕様は、逆梁工法、二重床・二重天井、リビング天井高2450mm、御影石キッチン・洗面天板、食洗機、ミストサウナなど。窓・採光部を5~6カ所確保しているのと、同社が独自に開発した細かい工夫をこらし使い方を想定して作った収納「i-plus収納」により、収納率を7~11%確保するようにしているのも特徴の一つ。
ワールドレジデンシャル営業部部長・松本政英氏は、「他社物件を非難することは、『築地』のエリアポテンシャルを落とすことにつながるので、そのようなことはしたくない。三方角地で採光にも恵まれ、逆梁、現地から本願寺‐歌舞伎座-三越まで16分という銀座生活圏をアピールしていく」と話した。
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「他社非難(足の引っ張り合い)をしない」と松本氏がいうのに大賛成。大和ハウス工業と旭化成ホームズは同じハウスメーカーで、販売事務所も〝呉越 同舟〟の同じビル。大成有楽不動産は、同じみずほグループの東京建物が大和ハウスの物件を販売媒介する。間違っても近親憎悪ということにはならないだろう。大成有楽とコスモスイニシアは仲がいいとも聞く。
記者もそれぞれの欠点をあげつらうような、泥試合をけしかけるような記事 は書かない。選ぶのは消費者だ。それだけ選択肢の幅が広がるわけだし、「築 地」のエリアポテンシャルを引き上げるよう各社には頑張ってほしい。住むにはいいところであるのは確かだ。
ワールドレジデンシャルは、以前からユニバーサルデザインを商品企画の幹に据え、コンセントの位置、壁のR形状、床のフラット化、引き戸の多用、トイレのドアノブノの壁面後退などを徹底して行ってきた。平成30年12月期の売上高は169億円。売上高1,429億円。東証一部上場の人材・教育、不動産、情報通信事業の3つを柱とする持ち株会社ワールドホールディングスの不動産事業会社。同じグループには、東北が発祥のワールドアイシティ、関西圏にはワー ルドウィステリアホームズ、九州圏にはワールドミクニもある。