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2019/12/02(月) 16:38

大和ライフネクスト マンション管理に関する総合研究所設立 情報発信開始

投稿者:  牧田司

 大和ライフネクストは12月2日、マンション管理会社として初の総合研究所「マンションみらい価値研究所」を10月1日付で設立し、分譲マンションの適切な維持管理や様々な課題に対する解決策を公開していくと発表した。

 全国の分譲マンションストックは650万戸を超える中で、建物の老朽化、居住者の高齢化という「2つの老い」が顕在化し、激甚化する災害への対応も迫られるなど多くの課題を抱えている。

 同社は創業以来40年以上にわたって得た多くの事例やデータ、知見を活かし、具体的な対策やマンションの将来像について継続して情報を発信していくという。

 同日(12月2日)から下記のホームページを公開し、レポート掲載を開始した。

URL:https://www.daiwalifenext.co.jp/miraikachiken/index.html

◇       ◆     ◇

 結構な取り組みだ。記者も約40年にわたって分譲マンションの取材を行っており、〝マンションは管理を買え〟などという記事も書いてきたが、本質に迫れるような記事はほとんどない。強いてあげれば、マンションコミュニティを亡き者にする動きにささやかな抵抗を示したくらいだ。

 「2つの老い」と自然災害に適切に対応するには、コミュニティしかないと思っており、最近、山本理顕・仲俊治著「脱住宅『小さな経済圏』を設計する」(平凡社)を読んだ。同書は、次のようにわれわれに迫る。

 今の住宅はサラリーマン(賃労働者)のための住宅である。私たちは、建築家に限らず、社会学者も政治学者もそれが唯一の住宅モデルだと思い込んでいる。「一住宅=一家族」モデルである…日本人はみんなそういう住宅に住んでいると思い込んでいる。そして、今の社会はそうした住宅を前提にして組み立てられている…。

 賃労働がこれからも最も有力な働き方なのだろうか。今の「一住宅=一家族」モデルが唯一の居住形態であるという考え方はこれからも有効なのだろうか。もしそれがすでに有効性を失っているとしたら、「一住宅=一家族」に代わる私たちの未来の居住形式はどのように設計できるのだろうか。その可能性は私たち建築家がどのような建築空間・都市空間を設計できるのか、という想像力に多くを委ねられている…。

 山本氏が学長を務める名古屋造形大学は今年8月、定期刊行誌「都市美」を創刊した。創刊号は「コミュニティ権 新しい希望」を特集としているようだ。取り寄せて読むことにしている。

 「マンションみらい価値研究所」にも、コミュニティを大きなテーマの柱に据え、情報を発信してくれることに期待したい。同時に、デベロッパーもまた「一住宅=一家族」モデルは果たしてこれからも有効かどうか考え直していただきたい。

 

 

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