ポラスグループのポラスマイホームプラザは12月16日、家事代行サービス(全6回)付きの共働き世帯を対象にした分譲戸建て「育実(はぐくみ)の丘 サウスブロック」(全13棟)の見学会を行った。JR東大宮駅からバス7分徒歩7分の全13棟で、分譲開始1カ月半で7棟に申し込みが入るなど、順調なスタートを切った。
物件は、JR東大宮駅からバス7分徒歩7分、さいたま市見沼区春岡2丁目に位置する全13棟。土地面積は107.25~132.72㎡、建物面積92.74~103.21㎡、価格3,180万~4,280万円。建物は木造2階建て。モデルハウス2棟が完成済み。埼玉県子育て応援住宅認定を取得している。10月26日から販売を開始し、これまでに7棟が成約済み。
東京ガス都市生活研究所の「共働き世帯の生活者の意識と暮らし 家事行為の実態調査」をベースに、①家事動線などの設計②設備の採用基準の工夫③カジタクによる家事代行サービスの利用を組み合わせたもの。
2棟のモデルハウスのうちの1棟は、洗濯ものを干して乾かしてそのまま収納できるよう、2階の洗濯機を中心にバルコニー-室内物干しスカイクリーンスペース-ウォークスルークローゼットを配置している。
もう一つは、家族で料理を楽しめるよう大きめのU字型キッチンを中心に据え、その周りにダイニング-スタディコーナー-リビングを設置している。最先端のガスコンロ(リンナイ DELICIA)やスマホ連動の自動調理機能付き。
イオングループの家事代行サービス会社「カジタク」からは、「掃除代行」「料理代行」のどちらかを月1回2時間を6回利用できる。7回目以降利用の場合も特別割引が受けられる。代行サービスは、1日2時間で交通費、税込みで約9,000円。
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外観デザイン、外構がやや貧弱に見えたが、住戸内商品企画はよく工夫されていた。竣工完売できるのではないか。ポラスマイホームプラザは年間180棟の販売を目標に掲げていると聞いたが、確かな商品企画を提供しているからできることなのだろう。
最初の説明会で、「カジタク」の料理代行サービスの動画に10品目の料理が映し出されたときは、いくら大食い家族でも食べきれないし、毎日頼んだら間違いなく肥満児になり、家計が破綻するのは必至だと思った。
同社営業担当に確認したら、3~4日くらい日持ちする料理が中心とのことだった。1日に換算すれば3,000円程度だから、まあそんなものかと得心した。
今後、代行サービスを利用しようと考えている人に、妻が死亡したあとの1年くらい家事代行サービスを利用したことがある先輩の記者から一言。
得意なのはカレーライスとラーメンくらいしかなかった記者は、小1と小6の息子に夕食くらいは美味しいものを食べさせたいという理由から家事代行サービスを頼んだ。お試し期間は市からいくらか補助金もでた。
家政婦さんが若い人だったら〝俺の世話もしてもらおうか〟という邪心もなかったわけではないが、こちらに選択権はなかった。写真付きのリストなどない。やり取りは電話のみ。相手が提示する条件を全て飲むしかなかった。
最初にお願いした人は全く色気のない一回りくらい年上のおばさんだった。淡い期待は一瞬にして雲散霧消した。
落胆の気配を読み取られないようにこらえ、「多少出費がかさんでもいいですから、とにかく美味しい家庭料理を作ってください」とお願いし、財布には大枚を何枚も入れた。
この虚勢がいけなかったか。家政婦さんは貧乏サラリーマンの懐を忖度したのか、あるいはまた彼女自身の日常の反映なのか、肉は安い鶏か豚の特売小間切ればかりで、スーパーの店頭に並んでいる唐揚、おでんなどをそのまま温めたようなものも少なくなかった。ほとんど食べた形跡がない冷え切った料理ともいえぬ料理を呆然と眺め、そのまま何度ゴミ箱に捨てたことか。
以心伝心。小生から〝首〟を宣告はしなかったが、毎日やり取りするノートから察したのか、その人はいくらも経過しないうちにやめた。3人くらい交代したか。結局、みんな長続きがしなかった。言っとくが、記者は潔癖、手すら触ったことはないのに、記者の下着をきちんと3つ折りにしてくれたのは決して〝愛〟の発露ではないことを弁えておくべきだった。
そうなったらもう自分がやるしかない。覚悟を決めて調理を学んだ。カレーライスとラーメンは専門店よりうまいと自画自賛できるほど上達し、和食はもちろん中華、イタリアンもこなせるようになった。できなかったのはてんぷら・フライ、とんかつ、ギョーザ、酢豚などの手間のかかる類の料理くらいだった。リンゴの季節になると、毎週のようにアップルパイをつくった。罪滅ぼしにたまには100グラム2,000円のステーキを買い、マスクメロンをデザートにした。子どもは作文に「好きな食べ物はサーロインステーキ」と書いた。小生は小躍りした。
もちろん、家事労働は料理だけではない。洗濯、子どもの世話などに10時ころまでは忙殺される。掃除などはどうでもいいというより、手が回らなかった。
翌日の子どもの学校へ持っていくもののチェックも大変だ。小さな息子にナプキン(小生はどんなものか見たことがない)とかトイレを持たせよと言われるとパニックになる。皆さんは信じられないだろうが、慌てるとナフキンを〝ナプキン〟と、トレイを〝トイレ〟と読み間違える。
子どもを寝かしつけ、飲めるのはそれからだ。つまみはめざしやチーズかチョコ。だれも止める者がいないのを幸いにウィスキーを煽るように飲んだ。タバコを肺いっぱいに吸い込んでは吐き出し、カランコロンと氷をグラスの中で転がしながら飲むスコッチは格別だ(赤丸=マールボロにバーボンが最高にうまいと聞いたが、小生はショートホープだった)。いっぺんに糖尿病に罹った。
もういい加減やめる。男性の読者の皆さん、とにかく早く家に帰り、家事労働を手伝っていただきたい。あっ、間違った。家事労働は手伝うのではなく、夫と妻はそれぞれ半分受け持つ義務があるはず。企業も労働時間短縮に必死で取り組まないと家庭は破綻する。「1家族=1住宅」も危機に瀕している。もう手遅れか。
後悔先に立たず。小生はすべてにおいて〝愛〟が欠如していたと自覚している。だから〝記事はラブレター〟なのだが…。