三菱地所は1月24日、今年4月からスタートさせる向こう10年間を指向した経営計画「長期経営計画2030」を発表し、同社吉田淳一社長が同計画と同日発表した大手町・丸の内・有楽町エリア(大・丸・有)における2020年以降のまちづくり「丸の内NEXTステージ」について約1時間30分にわたって説明、質疑にも答えた。
「長期経営計画2030」策定の背景として、吉田社長は現在進行中の2017年度から今年度末の中期経営計画はすべて数値目標を達成する見込みであり、これを土台に、新たにスタートさせる計画は、時代が非連続的、かつ急速に変化し続けている現在、的確に対応するためには中長期的な視点で考える必要があるとし、以下の戦略を打ち出した。
経営計画では、「社会価値向上戦略」と「株主価値向上戦略」を両輪に据えた経営を実践するとし、社会価値向上戦略では、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを実行し、まちの利用者や従業員を含む全てのステークホルダーへのより高い価値の提供を行い、株主価値向上戦略では、ROA・ROE・EPSのKPIを掲げ、高効率で市況変化に強い事業ポートフォリオへの変革を、「国内アセット事業」「海外アセット事業」「ノンアセット事業」の3つ領域で展開し、計画の実現を目指す。
また、ノンアセット事業をはじめとする不動産市況の変動に強い収益の拡大と柔軟な資本政策を組み合わせ、ROA・ROEの底上げを図り、2030年度計画でROA%、ROE10%、EPS200円の推知目標を掲げた。
「大・丸・有」の2020年以降のまちづくりを「丸の内NEXTステージ」と位置付け、イノベーション創発とデジタル基盤強化を通じ、個人のクオリティオブライフ(以下、QOL)向上と社会的課題の発見・解決を生み出すまちづくりを推進。有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点的に整備し、2030年までに約6,000~7,000億円を建て替え及びソフト整備に投資し、再構築を推進すると語った。