コスモスイニシアが2月上旬に分譲する「イニシア板橋 桜レジデンス」を見学した。都営三田線板橋区役所前駅から徒歩9分の全152戸で、全戸南向き、桜並木が美しい石神井川に隣接していることから問い合わせ・来場が殺到しており、販売担当者は「この1、2日で新規、再来のお客さんは40件。メチャ忙しい」と確かな手応えを感じていた。
物件は、都営三田線板橋本町駅から徒歩8分、板橋区本町の商業地域に位置する15階建て全152戸(うち一般分譲対象外住戸36戸含む)。専有面積は43.65~70.28㎡、予定価格は3,800万円台~6,500万円台、坪単価は296万円。第1期販売を2月上旬に行う予定。竣工予定は2021年2月下旬。売主は同社のほかセコムホームライフ。施工は大豊建設。
現地は、従前戸建てなどが建ち並んでいた一角。駅からのアプローチは旧中山道の「中宿商店街」を通ることから、これも〝売り〟の一つになっている。敷地南側は桜並木が美しい石神井川。建物は全戸南向き。敷地内に「お花見テラス」を設置するほか、歩道には枯死したためか欠けている2本のサクラも補植する予定。
住戸プランは、40・50・60㎡台が中心で、最大は70㎡台の南東・南西向きプランがそれぞれ2スパン。全体的にグロスを抑えているのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、両面アウトポール設計、標準階のリビング天井高2450mm、食洗機、ミストサウナなど。
販売担当の同社分譲事業部分譲二部一課プロジェクトマネージャー・武田悠氏は、「昨年11月からの来場者数は約200件。この2月1、2日だけで新規・再来は、接客ブース6つ3回転全て満室の40件。すごい人気。(価格が高い)北区居住者の方は(板橋区は価格が低いので)すぐ決断される」と話していた。
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特徴の一つである実用新案登録済みの「ウェルカムホール」について。同社は数年前からマンションも戸建ても〝魅せる玄関・ホール〟に力を入れており、これが人気を呼んでいるのだが、今回も一部の住戸を除き採用している。
玄関・ホールの幅は狭いもので1390mm、広いタイプだと2000mm以上もある。その分だけ居室面積が狭くなるが、実によくプランニングされている。モデルルームは63㎡だが、広く感じさせるのはこのプランニングがいいからだ。トイレドアノブを壁面までセットバックさせているのはいつもの通りだ。
〝玄関は住宅の顔〟だ。尺モジュールを良しとしているデベロッパーは考え直したほうがいい。
もう一つ、なかなかいい提案だと思ったのは「つむユニ」だ。約5.5畳大の子ども部屋に2段ベッドを設えている。
同じような提案は、伊藤忠都市開発、三菱地所レジデンス、日本土地建物「武蔵境」などでも見た。居住面積を狭くするのならこのような提案をするのは当たり前だと思う。意外と価格の高いのがネック(伊藤忠都市はポイント制だったか)だが…。
さらにもう一つ、面白い提案があった。板橋区は子どもも楽しめる、つまり記者も夢中になったあの力道山時代の、殴ったり蹴ったりの乱闘となり全身血みどろの凄惨なものではなく、笑いを誘うおじいちゃんプロレスラーが中心の「いたばしプロレスリング」が人気だそうだ。
ネットで調べた。「いたばしプロレスリング」は「地域密着の活動は区行政の目に入り公認されるまでに至った。実際に板橋グリーンホール大会に区長や区職員を招待して収益の一部を板橋区に寄付している」(ウィキペディア)とあった。
同社は地域活性化イベントとして2月24日(天皇誕生日振替休日)に行われるプロレス大会に〝協賛〟し、「イニシア板橋マン」を登場させる。
ついでに「中宿商店街」について。記者も往復で約1時間かけて観察した。「十条銀座」もそうだが、区内にはまだまだ昔を彷彿とさせる商店街が健在だ。米屋、総菜店、和菓子店、焼き鳥屋、居酒屋、時計屋、食堂…などがある。昼食を取っていなかったので、居酒屋に入りビールともつ煮を注文した。わが多摩センターにはこんなレトロな呑み屋はない。社に帰らなくてよければ酔いつぶれていたかもしれない。