大京が分譲中のZEHマンション「ライオンズ横濱仲町台ヴィアーレ」と「ライオンズ長津田グランリーフ」を見学した。当初は「横濱仲町台」を先に書こうと考えていたが、「長津田」を先に紹介する。理由は、蛍が生息する川に隣接し、総合的なレベルも上位だと判断したからだ。
「長津田」の物件は、東急田園都市線・JR横浜線長津田駅から徒歩10分、横浜市緑区いぶき野に位置する6階建て全64戸。現在販売中の住戸(4戸)の専有面積は68.54~76.88㎡、価格は4,390万~4,990万円。坪単価は217万円。竣工は2020年1月24日。設計は日企設計。施工は大末建設。昨年6月から分譲開始し、現在、未分譲の4戸を含めて残りは8戸。
現地は、駅から徒歩8分くらいフラットの道を歩き、そこから先は緩やかな坂を下った準住居地域、第一種住居地域の二方角地。敷地は元駐車場。敷地に隣接して蛍が生息するという恩田川の支流の岩川が流れ、竹林がある。
建物はL字型で、標準階は1フロア12戸構成(南東向きが5戸、南西向きが7戸)。
主な基本性能・設備仕様は、高い断熱・省エネ性能を持つZEH-M基準を満たしており、アルミ樹脂複合サッシ、Low-Eガラス、BELSによるエネルギー消費量29%削減認定、低炭素建築物認定、パッシブデザイン、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500mm、御影石キッチン天板、食洗機、ミストサウナなど。
販売を担当する同社営業二部担当課長・徳本英子氏は、「えっ、『仲町台』から先に書く? 取材を終えるころには『長津田』を書く気持ちに変わりますよ。何たって、ここは始発もある田園都市線の長津田駅。岩川には蛍が生息し、竹林から湧いて出るのも確認しました。ZEHですからね。断熱材は通常の3倍。デザインにも力を入れています。単価230万円? それより低い217万円。これは安いと思いますよ。私が言うのではなく、お客さんがそう仰っていますから」と話した。
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先に「横濱仲町台」を取材したとき、駅からの距離、環境の良さ、売れ行きなどを考えて、「長津田」は後回しにしようと思っていた。しかし、徳本氏の誘導にまんまとはまった。
最初に揺さぶりを掛けられたのが〝蛍が湧いて出る〟だった。記者が生まれ育った伊勢の田舎は、1978年に芥川賞を受賞した宮本輝の「螢川」そのものだった。近くを流れるせせらぎや田んぼの畔は波のようにうねり重なって光り輝いた。手に取ると希望の黄色い光を放ち、暗闇を照らした。蚊帳の中に何匹も放っては、しわくちゃの祖母のおっぱいをまさぐりながら眠りについたものだ。高度成長と共に消えたのではなかったか。
その蛍が長津田に生息すると聞けば、これはもう最優先して書く価値があると判断した。
そして、決め手は商品としての総合力だ。「仲町台」はLow-Eガラスを採用しているが、サッシ枠はアルミだった。ところが「長津田」のサッシ枠は樹脂で、その良さをお客さんにきちんと伝えるよう普通のアルミ複層ガラスと樹脂サッシの比較体験コーナーを設けていた。
外気温をマイナス4.8度、室温を20.8度に設定しており、普通のガラスは7.2度、アルミ枠は9.4度を示し、水滴が張っていたのに対し、樹脂サッシのガラスは16.9度、樹脂枠は16.2度だった。
基本性能・設備仕様レベルから判断して、この単価設定はものすごく割安感があると思う。同社はパンフレットなどで「光熱費は年間54,419円お得!」と書くが、ZEHマンションに住む快適性・地球環境への貢献度合いも金額に換算してはどうか。
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)