大和ハウス工業は2月27日、埼玉県さいたま市内最大となる大型マルチテナント型物流施設「DPL浦和美園」の地鎮祭を行い、来年11月に開業すると発表した。
「DPL浦和美園」は、東北自動車道浦和インターチェンジから約3km、さいたま市緑区美園1丁目に位置する敷地面積約37,170㎡、5階建て延床面積約91,803㎡。設計・施工は福田組。竣工予定は2021年10月。「埼玉スタジアム2002」に隣接している。
テナント企業従業員向け保育施設や無人コンビニエンスストアを配置し、免震システムや非常用自家発電機を設置するなどBCPにも対応した防災配慮設計を施している。
同社取締役常務執行役員・浦川竜哉氏は、「当社は埼玉県で800億円を投資し、25棟、33万㎡の物流施設を整備した。今後も『桶川』『上里』『草加』など約16万㎡を予定しており、開発を加速させる」と語った。
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この日行われた地鎮祭は午前10時から。「埼玉スタジアム2002」に100回以上も通っている同業のサッカーファンの記者によると「ここは風が強い」とのことでとても寒かった。それでも、式典に参加した同社取締役常務執行役員・浦川竜弥哉氏をはじめ関係者はスーツ姿で粛々と行事をこなした。
われわれメディアはコートを羽織ったままの取材も許されたが、小生は神様と神主さんに失礼だと思い、コートを脱ぎマスクも外し、鼻水をぬぐいながら祝詞を聞き逃すまいと聞き耳を立てた。
しかし、加齢による聴覚の退行と折からの風のせいで、肝心の「かしこみかしこみ」の声はかき消された。よく聞こえたのは鍬入れ儀式での浦川氏の「エイッ!エイッ!」の威勢のいい声と、それに呼応する柏手だけだった。式典後の質疑応答の浦川氏の話もほとんど聞き取れなかった。
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興味深かったのは、現地は「埼玉スタジアム2002」の隣接地だったことだ。用途地域は「埼玉スタジアム2002」を含め「主に環境悪化の恐れのない工場の利便を図る」準工業地域で容積率は200%。
「埼玉スタジアム2002」も都市公園と同様、よほどのことがない限り用途が変更されることはないだろうが、どうして用途が風俗系も含めほとんど〝何でもあり〟の準工なのか。
スタジアムと物流の相性も考えたが、結論は出なかった。そもそも浦和美園駅は駅前が貧弱で、イオンにも少し距離があり、スタジアムまで20分近くかかる。どのような意図で都市計画が決められたのかさっぱりわからない。