もちろんサクラ見物が目的ではなく他に理由があったのだが、コロナショックで塞いだ気持ちをいくらか和らげてくれるのではと淡い期待を抱いて神田川沿いを昨日(3月11日)歩いた。
残念ながらまだ早いのか一輪の開花も見られなかったが、目的のほかに思わぬ収穫もあった。
高田馬場駅から歩くこと十数分。このあたりの神田川は水もきれいで、さらさらと流れる水音も聞こえてくる。「面影橋」についたときだ。だしぬけに東京建物「ブリリアシティ西早稲田」マンションの建設現場が眼前に広がった。現場のすぐ前は見事なサクラ並木だ。
パブロフの犬と化した記者はとっさにマンションの分譲単価をはじき出した。高田馬場駅から歩くのは大変なので、いくらサクラ並木が美しいとはいえ坪400万円は厳しいのではないかと考えたが、現場に備え付けられていたパンフレットで調べてみると、現場はJR高田馬場駅と東西線早稲田駅のほぼ中央にあり、それぞれ徒歩14分、総戸数は454戸、施工は長谷工コーポレーションとあった。この立地なら坪420万円でも売れるのではないかと上方修正した。
ところが、パンフレットには所有権ではなく期間70年の定期借地権付きと書かれており、専有面積は約71~97㎡、予定価格は5,700万円台~1億2,000万円台(最多価格帯6,400万円台)、販売開始は8月とあった。
素敵な「面影橋」の由来は、在原業平、あるいは将軍家光が名付けた説など諸説あるそうだ。
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定借と言えば、つい先日、都営大江戸線牛込柳町駅圏の期間70年の定期借地権付き三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス市谷加賀町」228戸の現場を見たばかりだ。
立地条件からして三菱地所レジデンスのほうが高くなるのは間違いないが、所有権、定借にこだわらないユーザーにとっては悩ましい選択になりそうだ。住環境は互角だ。双方とも取材してレポートしたい。