別表は東京都が公開している新型コロナウイルス陽性患者の属性を表にしたものだ。
3月31日現在、陽性患者は521名で、このうち4名は「不明」(記載なし1名含む)。男女別では男性348名(67.3%):女性269名(32.6%)。
年代でもっとも多いのが40歳代の103名(19.8%)で、以下30歳代の95名、70歳代の74名、50歳代の72名、20歳代の66名の順。
各年代の男女比をみると、20歳代は男性25名(37.9%):女性41名(62.1%)と女性の比率が高く、他の年代では60歳代では男性の比率が83.3%に上り、男性の比率が高いのは40歳代の74.8%、70歳代の70.2%%、50歳代の69.4%、30歳代の65.3%。
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この数字だけでは新型コロナウイルスの感染実態はよく分からない。公開されているのは公表日、居住地、年代、性別、退院(死亡含む)のみで、居住地は都内、あるいは調査中がほとんどとなっており、患者属性(職業)、症状、渡航歴などのデータは空白になっている。
巷間言われている高血圧、糖尿病などの既往症との関係、喫煙者の罹患率(重症化率)などもまったく分からない。
政府や都が呼び掛けている深夜営業の飲食、接客業との因果関係は、20歳代の女性比率が高く、働き盛りの男性の患者数が多いことから類推はできるかもしれないが、科学的な根拠とは言い難い。
最小限のデータしか公開されていないのは、本人、家族、関係者のプライバシーに配慮しているのか、何らかの理由で公表を差し控えているのか不明だ。
何をもって濃厚接触と呼ぶかよく分からないが、記者は感染したら、感染経路などについて極力公表するようお願いするつもりだ。微細で最強の敵に立ち向かうには、何事もデータを共有することが大事ではないか。