社会課題に向き合い、世界の住宅の質を高めよう
新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。
“Belief-Driven(ビリーフ・ドリブン)”という言葉をご存知でしょうか。「ビリーフ・ドリブンな購買の仕方が増えている」という記事を読んだ方もいるでしょう。訳すと「信念に基づいた」購買をする人が増えている、つまり社会課題に対する姿勢でその企業の製品を買うか買わないかを決める人たちが増えているということです。我々の業界でいうと、積水ハウスはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の販売が世界№1で、温暖化防止に貢献しているから、「積水ハウスで家を建てて地球環境に貢献しよう」とか、「積水ハウスの賃貸住宅に住もう」とかといった購買行動です。そのような意味で、我々は創業以来、常に社会に貢献するために頑張ってきた会社といえます。
当社は戦後の住宅不足を解消しようと、1960年に創業しました。創業から30年を第1フェーズと呼んでいますが、住宅不足を解消するだけでなく、住まい手の命と財産を守るべく、高い耐震性や耐防火性能・耐衝撃性能など、安全・安心をお客様に提供してきました。そして次の30年の第2フェーズでは、断熱性能や、ユニバーサルデザイン、空気環境技術、最も心地よいリビングを追及した「スローリビング」など、様々な技術で快適性を提供してきました。このように、当社は常に住まい手の課題を解決すべく研究を重ね、我が国の住宅の質を常にリードしてきました。60年間、住宅のことをここまで愚直に研究してきた会社は、世界で当社だけでしょう。
そして、今、世界が当社の技術に関心を寄せています。米国、豪州、英国を中心に、当社の戸建住宅の技術を世界のデファクトスタンダードにしたいと思っています。
「『わが家』を世界一幸せな場所にする」30年のスタート
当社は、今年60周年、第3フェーズの30年のスタートに当たる年です。これからの30年は、人生100年時代の幸せを提供する時代としました。ビジョンは「『わが家』を世界一幸せな場所にする」です。
100年間幸せに生きていくためにすぐに思い浮かぶのは「お金」や「株」などの有形資産でしょう。しかし、有形資産よりも無形資産の方が100年間幸せに過ごすためには大事だと言われています。3つ例を紹介します。1つは「健康」。もう1つは「家族や友人とのつながり」。3つ目は「経験やスキルや知識」です。よって第3フェーズでは、住宅を通じて、これら3つの無形資産を提供することにチャレンジしていきたいと考えています。
今年の1月、アメリカ・ラスベガスで開催されたCESで、「プラットフォームハウス構想」の第1弾である、家が急性疾患を発見する仕組みを発表しました。今後、急性疾患だけでなく、慢性疾患の発見や、予防サービスなど、健康に関する開発ができ次第、「プラットフォームハウス」に次々とインストールまたはアップデートしていきます。
このように第3フェーズは、すでにスタートしているわけですが、そのチャレンジの主役は、皆さんです。皆さんの世代が一丸となって、住まい手を幸せにしようと思わないと、このビジョンは実現できません。
私は1988年入社で、ちょうど第2フェーズが始まろうとした時に入社しています。30年前の1990年に120億円をかけて、けいはんな学研都市に「総合住宅研究所」が開設されました。そこで、様々な技術開発がなされ、30年たった今、これらの技術が世界の注目を浴びているのを、私は目の当たりにしています。
主役である皆さんも、きっと30年後には、住まい手が、健康で、家族や友人とつながりながら、自身の経験やスキルを高め、イキイキと幸せに過ごしている、そんな「プラットフォームハウス」を目の当たりにしていることでしょう。
※新型コロナウィルス拡大防止のため、ビデオメッセージとして配信。サプライズとして積水ハウスのCMソングを歌っている歌手の村上ゆきさんの歌と祝いのメッセージが届けられた