厚生労働省のまとめによると、新型コロナウイルス感染者は4月14日時点で7,509人となり、1週間前の4,168人から80.2%増加した。
もっとも多いのが東京都の2,171人(7日比180.5%)で、以下、大阪府836人(同173.4%)、神奈川県572人(同205.0%)、千葉県474人(同166.9%)、埼玉県414人(同198.1%)、兵庫県384人(同177.8%)、福岡県373人(同274.3%)、愛知県328人(同127.1%)、北海道272人(同137.4%)、京都府205人(同147.5%)の順。
このほか増加率が高いのは群馬県313.8%(29人⇒91人)、広島県300.0%(19人⇒57人)、富山県408.3%(12人⇒49人)、静岡県408.3%(10人⇒46人)、香川県800.0%(2人⇒16人)が3倍以上の増加となっている。
一方で、感染者ゼロは岩手県1県のみとなり、徳島、鹿児島、佐賀、長崎、香川の四国・九州の5県の少ないのが目立つ。
人口10万人あたりの罹患率では全国平均が5.95人で、率が高いのは東京都(15.6人)、福井県(12.0人)、石川県10.6人)の順。
罹患率では、ゼロの岩手県、鳥取県(0.18人)、鹿児島県(0.25人)の順。感染者が8番目に多い愛知県や静岡県、三重県の東海3県の罹患率が低いのが目立っている。
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感染者の多寡、罹患率の高低を示すことに意味があるのかどうかよく分からない。この数値が何を意味するかは読者の皆さんに判断していただきたい。以下に、判断材料になりそうな記事を紹介する。
【毎日新聞】 香川大が3日に学部や大学院の研究科別に開いた入学式で、創造工学部が新入生のうち44人、工学研究科が新入生のうち1人を、過去14日以内に新型コロナウイルスの感染が拡大している7都府県に滞在したことを理由に参加させなかったことが明らかになった。香川大の広報室は「安全を考慮しての判断。新入生には納得してもらった」としているが、筧善行学長が直接、事情を説明することを検討している。
【読売新聞】 愛媛県新居浜市の市立小学校が新型コロナウイルスの感染を防ぐ目的で、東京や大阪を行き来する長距離トラック運転手の2世帯に、子どもを登校させないよう求めていたことがわかった。新1年生を含む子ども3人は体調に問題はなかったが、8日の入学式と始業式を欠席した。高橋良光教育長は「市教育委員会で感染防止への統一した考えが共有できていなかった。子どもたちやご家族、関係者にご迷惑をかけた」と謝罪した。
【時事通信社】 山形県は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため来県者の検温を独自に県境で行う方針を決めた。具体的な方法を近く示す予定で、5月の大型連休明けまで実施する。県内の感染者は同日時点で33人で、帰省者など県外からの来訪者が感染源となっているケースが多いため、県内に入る前に食い止めるのが狙い。
【河北新報】 達増拓也知事は10日、定例記者会見で「緊急事態宣言が出ている地域からの来県者に2週間の不要不急の外出自粛を要請した」と強調した。
その上で「不安がある県民は予防のため、知らない人にむやみに近づかない、(密閉、密集、密接の)3密を避けることを徹底してほしい」と呼び掛けた。
【中国新聞】 松江市は11日未明、市内で新たに4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも9日に感染を確認した同市在住の女子高校生がアルバイトをしていた飲食店に客として訪れていた。松浦正敬市長は記者会見で、クラスター(感染者集団)が発生した可能性が高いとの認識を示した。さらなる濃厚接触者の特定を進める。
島根県内の感染者は、女子生徒と、生徒の母親と合わせて計6人となった。
市によると、飲食店は市内の「BUZZ(バズ)」。新たに感染が判明した4人はいずれも市内在住で、20代男性、20代女性、30代男性、40代男性。うち20代女性を除いて症状はない。
【北海道新聞】 次の日、陽性と連絡があった。自宅前に救急車が止まり、その後、防護服姿の保健所職員が現れ、近所に感染を知られた。
道の発表では職業を伏せ、居住地も自治体名を出さないよう頼んだ。だが女性や女性の夫の職場の情報はすぐに周囲に広まり、職場からは「風評被害が出ている」と言われた。「親族や仕事場に迷惑をかけてしまう。もう仕事を続けられない」と退職した。
入院した父親は日に日に弱っていった。3月下旬、医師から「もう最後だと思う。あなたも危ないけど会うかい」と聞かれ、防護服を着て3時間だけ面会した。父親を元気付けようと、ラップでくるんだ携帯電話越しに、親戚に「頑張れ」と声をかけてもらった。苦しそうに「うん、うん」とうなずく父親。その体にじかに触れることもできない。「何も心配ないから。ゆっくり休んで」と声をかけ続けた。
家に帰り、着ていた服を全て捨ててお風呂に入った時、病院から電話が来た。「息を引き取りました」。父親の後に感染が分かって別の場所に入院した母親には、死を告げられなかった。「体調がさらに悪くなるのが心配だった」からだ。
感染予防のため、父親をひつぎ越しに抱いた。「死なせてごめんね」と何度も言った。お骨は夫と2人だけで拾った。
しばらくして、親戚や親しい友人だけに父親の訃報を知らせた。心配してくれた人が居た一方で、「怖いから、もうあなたには会えない」「おまえの家には、1年は行けない」など、心ない言葉を投げかけられた。
【読売新聞】 横浜市の私立保育園の保育士が新型コロナウイルスに感染したにもかかわらず、市が保護者に知らせないよう園側に求めた問題で、市は15日、隠蔽(いんぺい)する意図はなかったとする一方、今後は迅速に情報を公表していく考えを示した。
市によると、保育士は同市神奈川区の私立保育園に勤務する20歳代の女性で、8日に感染が判明。園はすぐに市に報告したが、市は保健所の意見を踏まえ、接触範囲などの調査が終わるまで開園を継続し、保護者への連絡は見送るように園側に求めた。この保育士が4日から出勤しておらず、感染拡大のリスクが高まるわけではないうえ、より正確な情報を伝える必要があると判断したという。