別表は、東京都の5月3日現在の新型コロナウイルス感染者4,568人の人口10万人当たり罹患者(率)を年代別・男女別にみたものだ。
都全体の罹患率は32.8人で、年代別では90代以上の72.7人がもっとも高く、20代の46.9人、30代の42.1人の順。罹患率が低いのは10歳未満の6.0人で、10代の6.6人が続く。
罹患率を男女別にみると、90代以上の女性の73.6人と90代以上の男性70.1人が突出しており、次に高いのは20代の女性の48.6人。以下、20~80代の男性が40人台で続き、女性は90代以上と20代を除き20~30人台となっている。
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新型コロナが人種、性別、年代、貧富、美醜を問わず〝平等〟に襲い掛かるとすれば、このデータはある意味ではわが国の社会のありようを映し出している。
根拠が示せないのでいい加減なことは言えないが、90代以上の感染率が高いのは明らかに自己治癒力・再生力が衰えているからと読める。基礎疾患を抱えている人の重症化率・死亡率が高いのもそのためだ。
一方で、10歳未満、10代の罹患率が極端に低いのはいま一つ理由が分からない。「3密」「8割削減」効果かもしれないが、子どもだって父母、兄弟姉妹、祖父母、友人らとの密接接触は多いはずだ。PCR検査が少ないためか、それとも無症状のまま治癒するケースが多いためか。都の情報開示が少なすぎるのでよく分からない。
20代の女性の罹患率がなぜ高いのかは容易に理解できる。これも確たる証拠はないが、小池都知事が「3密」の典型例として繁華街の飲食店、バーなどの接客業を真っ先に指摘した。そのことと関連があるはずだ。
もう一つ、注目したいのは10代の男性の罹患率が4.9人なのに対して10代の女性は8.3人と上回っている点だ。10代といっても小学生から大学生・社会人まで幅は広い。女性の罹患率が高いのは前述した接客業と何らかの関連がありそうだ。
働き盛りの男性の罹患率が高いのは説明するまでもない。〝働きバチ〟そのものだ。コロナ禍でも強か(しなやか)でたくましい女性像が浮かび上がる。平塚らいてうの「元始女性は太陽であった」の名言を思い出した。コロナ後は、女性があらゆる面で主導権を握るような気がしてならない。