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2020/05/25(月) 11:48

社会的弱者に襲い掛かり、ジェンダー性差をあぶりだす 新型コロナの本性

投稿者:  牧田司

年代め性別感染者 表1.png

年代・性別感染者グラフ.png

 社会的弱者を叩き、ジェンダー性差をあぶりだす新型コロナの本性が見えてきた――感染者は男性のほうが女性より多いことから、男性のほうが感染しやすいなどと言われているが、これは雄と雌の生物学的な性差によるものではなく、社会的・文化的性差=ジェンダー性差を正確に映し出し、同時に身体的・社会的弱者の高齢者に襲い掛かっていることが明確になってきた。

 別表は、東京都の5月23日現在の感染者5,138人を年代別・性別に見たものだ。性別では男性2,930人(57.0%):女性2,208人(43.0%)となっており、確かに男性のほうが多い。

 しかし、さらに年代別・性別を詳細にみると、外形的性差とはまったく関係ないことが分かる。

 外形的性差がそれほど変わらない10歳未満は男性39人(58.2%):女性28人(41.8%)とやや男性が上回っているが、10代では男性27人(37.0%):女性46人(63.0%)と逆転する。10歳未満と10代を合わせた比率は男性66人(47.1%):女性74人(52.9%)とほぼ同じだ。

 これをどう読むかだが、記者は外形的性差が顕著になる10代後半の女性の感染者が多いのではないかという仮説を立てた。その外形的性差に〝乗じた〟職業的・社会的環境の反映ではないかと考えた。

 この仮説は、20代の感染者比率をみるとそれほど的外れでないことを示している。つまり男性421人(46.5%):女性484人(53.5%)となっており、人口10万人あたりの罹患率でも男性は49.9人であるのに対し、女性は59.4人と大きな差がある。20代女性の罹患率は90代以上の罹患率97.1人を除けば、18階層の中でトップだ(次位は30代男性の51.6人)。

 一方、30代~70代の感染者は、男性は30代512人(56.5%)、40代549人(67.5%)、50代503人(63.6%)、60代363人(65.9%)、70代305人(60.6%)と全て女性を上回っている。

 この数値が〝男性のほうが女性より罹りやすい〟という論拠になっていると思われるが、これには科学的根拠はないのは明らかだ。小生は、医療・介護従事者も含め、外形的性差を〝売り〟とするいわゆる「3密」の職業に従事している女性が多く、その「3密」に吸い寄せられる男性の〝働きバチ〟の図式を描いている。

 〝若いから〟〝女性だから〟という理由のみで低賃金に抑えられ、冷遇されている女性のジェンダー差別に光を当てるべきだと思う。「202030」はどうなっているのか。

 80代と90代の女性比率が高いのは、人口構成からして当然だろう。罹患率でみると90代は男性が116.2人、女性が90.3人と他の年代よりはるかに高い。これも自然治癒力・再生力が低下し基礎疾患を抱える〝社会的弱者〟をコロナが襲い掛かっていることを如実に物語っている。

 

 

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