アンビシャスが分譲中の「アンビシャス上尾」を見学した。駅から徒歩9分の全102戸で坪単価は180万円。4月末から販売を開始しており、これまで30戸が成約済み。順調なスタートを切った。
物件は、JR高崎線(上野東京ライン)・湘南新宿ライン上尾駅から徒歩9分、上尾市西宮下一丁目の第二種住居地域に位置する9階建て全102戸。現在分譲中の住戸(8戸)の専有面積は51.96~76.14㎡、価格は2,980万~4,670万円、坪単価は180万円。竣工予定は令和2年8月25日。設計・監理はソシアル綜合設計。施工は吉原組。
現地は、戸建て住宅街の一角。徒歩12分にはイオンモール上尾が2020年秋開業予定。敷地の従前は賃貸マンションと畑。三方が道路で、もう一方の南側も幅員約1メートルの建築基準法による水路(暗渠)。建物はL字型で、四方に緑を巡らせ、ごみ置き場・受水槽も壁面緑化でくるむなど外構・植栽に力を入れているのが大きな特徴。
住戸プランは、標準階は南南東向き9戸と南南西向き5戸の構成で、60・63・65・66・68・70・73・76㎡台の2LDK~3LDKが中心。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2550ミリ、食洗機、開閉両面ソフトクローズ機能付き引き戸など。
取締役建設部長・奥谷邦夫氏は、「外構には力を入れました。建物を敷地境界線からセットバックさせて、そのスペースに中高木を植えました。受水槽は壁面緑化を施し、立体駐車場の壁面はルーバーを配するなど、地域との親和性も図りました」と力説した。
販売担当の同社営業部次長・川畑武士氏は、「住宅情報誌の湘南新宿ライン沿線の物件アクセスランキングで2カ月連続してトップになった物件。来場者は地元が中心ですが、かなり広域から集客できています。コロナ禍で接客などに制約を受けていますが、販売は順調に進んでいます。三密? わたし? 大丈夫。昼食も700円くらいの弁当を買って事務所で食べています」と話した。(記者のこの日の昼食も、コンビニでおにぎり2個とビールを買い、公園で食べた。500円くらい。川畑氏に勝ったぞ)
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「上尾」のマンションは昨年の同じころ、タカラレーベン「レーベン上尾GRAN MAJESTA」を取材している。売れ行きのいいのに驚いた。
今回の物件は、タカラレーベンの物件とは反対の方角で、今秋に開業予定のイオンモール上尾まで徒歩12分という立地もさることながら、外構・植栽に力を入れているのも大きな特徴の一つだ。
同社は平成16年に創業してからこれまで100棟以上約4,000戸のマンションを分譲している。1棟平均は約40戸だ。100戸以上の物件は今回で4棟目というから、その大きさが分かるはずだ。
「環境共生」「戸建て感覚」に力を入れてきたが、これらは一定の規模が確保できてより生きる。奥谷氏が植栽に力を入れたと強調したのも、同社が掲げる「環境をつくる」「快適をつくる」「安心安全をつくる」を具現てきたからではないか。
敷地の四方に緑を張り巡らせているランドプランは同社の特徴であり、これまでもたくさん見学してきたので〝なるほど〟と納得したのだが、長さ約40m、高さ約3mのゴミ置き場・受水槽の四方を壁面緑化による緑で覆っているのには驚いた。これまでも壁面緑化を施したマンションはかなり見学してきたが、これほどの規模の物件は記憶にない。舗道も透水性のコンクリート。
記者はwith&afterコロナのテーマの一つに見据えているのが〝郊外復権〟だ。在宅ワークが一挙に拡大し、マンションなど住宅にも大きな影響を与えると思っている。
都内23区ではマンションの坪単価は300万円を超えている。20坪で6,000万円以上だ。埼玉県でも浦和、大宮、川口、所沢などの主要駅圏も坪300万円をはるかに突破しており、金科玉条のようにもてはやされてきた〝駅近〟は坪400万円もあるかもしれない。
テレワークになれば、〝駅近〟や〝交通便〟〝資産性〟の価値は減殺し、逆に住環境や居住性が重要視されることになる。かといって喧伝されている〝田舎暮らし〟が爆発的に増えることもあり得ない。隠遁生活によるストレスの増大はもちろん、仕事や余暇活動に伴う移動コストは家計を圧迫するはずだ。都心部とほどよい距離の住宅が脚光を浴びると見ている。このマンションもそのうちの一つだ。
北側からの外観