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2020/09/11(金) 20:05

潮目変わった 仲井社長 業績挽回に自信 積水ハウス 2021年1月期 業績下方修正

投稿者:  牧田司

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仲井社長

 積水ハウスは9月11日、報道陣向けにオンラインによる経営計画説明会を行った。同社代表取締役社長・仲井嘉浩氏は、新型コロナの影響で前日に発表した2021年1月期第2四半期決算で通期業績予想を下方修正した理由、具体的な挽回策、今後の市場見通しなどについて質疑応答を含め約50分にわたり語った。

 仲井社長は2023年1月期を最終年度とする第5次中期経営計画について、「この先1年はコロナの影響で経済環境は一進一退で推移し、その後はワクチンの開発も行われ大きく改善する。再度、緊急事態宣言が発令されたら厳しい。それと冬のボーナスは二極化するはずで、消費マインドへの影響は避けられないので、政府の経済・財政出動に期待したい。これがフォロー要因となる」など語った。

 業績予想を下方修正したことについて仲井社長は、「下方修正した300億円を中計の最終年度まで残り2年半の中でどこでどこで取り戻すかだが、300億円のうち国際事業の100億円は期ずれではあるが中計のオンライン上にある。残りの200億円は受注額にして約1か月分。トータルとして中計を達成できるよう邁進していく」と述べた。

 足元の市場について「期せずしてお客様の住宅に対する関心が高まり、新築やリフォームの機運がフォローになっている。当社のオンラインスキルも高まった。賃貸環境は厳しいがS、Aエリアに特化した戦略が奏功している」などと、コロナの影響を受けステイホームが浸透し、潮目が変わったことなどを指摘した。

 主力の戸建て住宅については、全体の棟単価は4,081万円(2019年度3,993万円)と増加したしたことを受け、第一次取得層向けの「1stレンジ」(2,300万~2,400万円が中心)、30~40代のアッパーミドル向け「2stレンジ」(3,300~3,400万円)、富裕層向けの「3stレンジ」(5,000~1億円)の今後について、ビルダーとの競合が避けられない「1stレンジ」の環境は厳しいとの認識を示しながら、「3年後の目標らに掲げている1,000戸を目指し、人材も投入していく」と述べた。国際事業では、アメリカの宅地・住宅販売が好調で、中国・蘇州の3,000戸の大規模開発が完売したと話した。

 仲井社長はまた、コロナの影響で3~4月の一時期、瞬間的に賃貸住宅の入居率が落ちたことについてエピソードして触れ、「信販会社を通じて239件の家賃減額申請を受理したという報告を受けたが、当社が管理する約65万戸に対して0.03%。入居率はすぐ回復し、ほとんど影響を受けていない。これは当社が高付加価値型の賃貸に特化している証であり、入居者さまにも感謝したい」と語った。

 1円増配の年間82円としたことについては、「増配は何としてでもやりたかった。総還元性向53.4%を維持する。ESGのGでも役員報酬は固定報酬:変動報酬を1:2にすることで、株主と同じ土俵の乗るよう改善した」と述べた。

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 同社の2021年1月期第2四半期決算は、売上高1兆1,679億円(前年同期比3.3%減)、営業利益926億円(同18.0%減)、経常利益906億円(同22.2%減)、純利益594億円(同23.2%減)と減収減益。新型コロナの影響を受け、主力の戸建て、賃貸事業などは大幅な減益となった。

 通期予想は、売上高2兆4,150億円(3月5日の前回予想は2兆5,850億円)、営業利益1,750億円(同2,060億円)、経常利益1,725億円(同2,050億円)、純利益1,140億円(同1,370億円)に修正した。株式配当は81円から82円へ増配する。

◇      ◆     ◇

 この種のオンラインによる会見、イベントをかなりこなした。20回くらいではないか。最初のころは視聴環境が悪く、よく聞き取れないケースも少なくなかったが、今回は完ぺきだった。仲井氏の説明も分かりやすいものだった。もう報道陣を一堂に集めてこの種の説明会を開く必要性はない。

 それより、同社も先に行ったライフスタイル型モデル「7stories」のような現地見学会などを増やしてほしい。記者にとって座学で仕入れた情報にたいした価値はない。実物、実際をどれだけ見るかが記者の値打ちを決める。記者のレベルを上げることが、ハウスメーカーもデベロッパーも顧客に正確な自社の商品特性を伝えることにつながるはずだ。

 

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