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2020/10/25(日) 15:50

壁-1グランプリ アキュラ・チーム匠が2冠 指定張力団網中組(東大)は準V

投稿者:  牧田司

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優勝したアキュラ・チーム匠「閃~ヒラメキ~」(左) 右は指定張力団網中組「渡部弦」(東京大学)

 壁-1グランプリ実行委員会が主催する第3回「壁-1グランプリ(カベワンGP)」が10月25日、埼玉県行田市のものつくり大学で開催され、アキュラ・チーム匠「閃~ヒラメキ~」がトーナメントと総合優勝の2冠を獲得した。同社は前身の「木造耐力壁ジャパンカップ」から数えて4年連続、通算7回目の総合優勝で、過去最多優勝記録となった。また2010年以来史上2度目の二冠獲得となった。

 壁-1グランプリ(カベワンGP)は、実物大の木造耐力壁を組立て、2体ずつ足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、どちらか一方の壁が破壊するまで行う対戦形式のトーナメント大会。

 タイトルは、材料の安価性、加工技術、組立方法、解体方法、デザイン・意匠性、耐震性など総合点の最も高いチームに贈られる「グランプリ優勝(総合優勝)」と、一番強かった壁が受賞する「トーナメント優勝」の2通り。

 トーナメント決勝戦はアキュラ・チーム匠「閃~ヒラメキ~」VS 指定張力団網中組「渡部弦」(東京大学) となり、アキュラ・チーム匠が序盤から終始優勢を保ち、試合開始の10分後の4時13分、40キロニュートンの加重の段階で指定張力団網中組が〝バキッ、バキッ、ギブアップ〟(変形が大きく、試合続行不可能の状態か)。タオルが投入された。

 審査の結果、総合優勝部門もアキュラ・チーム匠が獲得。また、デザイン部門賞、加工施工部門賞、オーディエンス部門賞も受賞するなど、タイトルを総なめしたアキュラ・チーム匠は、この日が61歳の誕生日というチームの構成員でもある東大大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘氏にこれ以上ないプレゼントを贈った。

 表彰式でアキュラホーム・宮沢俊哉社長は「紙一重、運だけで勝てた」と喜びを語った。

 決勝戦の前に行われた準決勝第一試合は、アキュラ・チーム匠が日本建築専門学校「多貫ちver1.02」の独立柱柱脚を破壊して勝利。準決勝第二試合は、指定張力団網中組「渡部弦」がリベンジャーズ(前田建設工業)「Le:WaLL」の柱を破壊して勝利。

 参加チームはチーム匠(アキュラ+稲山先生+篠原商店)、前田建設工業、東京大学、滋賀職業能力開発短期大学校、ものつくり大学、日本建築専門学校、東北能開大、沖縄職業能力開発大学校の8チーム。

 主催者を代表して東大大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 助教・落合陽氏は来年も継続して大会を行うことを約束した。

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アキュラ・チーム匠(前列右から3人目が宮沢氏、4人目が稲山氏)

◇      ◆     ◇

 記者は3時過ぎから事務局が生配信しているyoutubeを視聴した。だしぬけに前田建設工業とともに「指定張力団網中組」なるおどろおどろしい文字が目に飛び込んできた。映像では勝敗は分からなかったが、前田建設の壁は破壊されたとのことで、指定張力団網中組が勝利したという。

 この指定張力団網中組は何者だ。王者アキュラ・チーム匠に差し向けられたヒットマンか。それにしても下馬評では優勝候補の一角と目されていた前田建設は情けない。名前にビビったか。

 しかし、指定-は強そうなのは名前だけだった。準決勝戦の段階でかなりダメージを受けていたようで、アキュラ・チーム匠に赤子の手をひねるように引き倒された。情けない!何者だ!お前は!名を名乗れ!所詮、闇社会でしか生きられない意気地なしか。

 午後4時50分の段階でも指定-の本名は不明。解体にも手間取っており、うち一人は女性の模様。虚勢を張るから負けるんだ。けがだけはしないように、早く解散したほうがいい。事情を知らないパトカーが駆け付けたらどうするのだ。あっ、今解体時間は11分2秒と発表された。これでは総合優勝も危ないのでは。

 午後5時5分。アキュラの壁の解体開始。スタッフ3人は60歳以上とか。寄る年波には勝てないか、金物を抜く音は〝ジジイ、ジジイ〟と聞こえる。壁材はヒノキか。カシノキのようにも見える。表面が美しいのはカンナ社長が削ったからか。

 おっと、速い!解体完了まで4分13秒だ。

 ポラス、三井ホームはどうした。名前がない。敵前逃亡か。これまた情けない。

 6時前に行われた表彰式の段階で、指定-は東京大学チームであることが判明した。〝師弟対決〟とあったので、どうやら稲山先生の弟子のチームのようだ。敗れたとはいえ、審査員などからの評価は高かった。来年は師匠を倒して、恩に報いるべきだ。

 この日は、22年前に開始した「耐力壁ジャパンカップ」以来大会を主導してきたアキュラ・チーム匠のメンバーでもある東大大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘氏の誕生日(61歳か)であることも報告された。

 稲山氏は「後継者が育ってきたので道を譲り、これからは出場者に徹して参加していきたい。これまで下支えしていただいた日本建築専門学校、ものつくり大学、東大の学生さんなどに感謝したい。拍手を送りたいのは私のほう」などと語った。

チーム匠がグランプリ 初参加の三井ホームはトーナメント制す 第1回「カベワン」(2019/9/18)


 

 

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