東京都の11月12日の新型コロナ感染者は393人となり、389人だった8月14日を上回り、8月8日の429人に次ぐ数値となった。経路不明者は230人で、不明率は58.5%とこれまでと同様高い水準となっている。
年代別・性別では、20代女性が51人でもっとも多く、以下、30代男性の47人、20代男性の43人、30代女性の42人となっている。20代と30代の全体に占める割合は46.6%となっている。
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ほぼ同じ数値だった8月14日と比較してみた。別表・グラフがそれで、特徴的なのは20代・30代の絶対数、比率が減少していることだ。
11月12日の20代・30代は173人で全体に占める割合は44.0%なのに対し、8月14日の226人、58.1%から53人、14.1ポイントそれぞれ減少している。
一方で増加が目立つのは40代・50代と10歳未満・10代だ。11月12日はそれぞれ118人(30.0%)、36人(9.2%)となっており、8月14日の96人(24.7%)、14人(3.6%)から絶対数も比率も増加している。
これは、都も話しているように若年層から中高年や年少者への広がりがみられ、感染経路も職場や家庭など多様化していることを裏付けている。
注目されるのは、重症化率が高い70歳以上の数値だ。11月12日は31人で、8月14日の29人とそれほど差はなく、全体に占める割合もそれぞれ7.9%、7.5%となっている。過去最多の472人を記録した8月1日も70歳以上の感染者は35人で割合は7.4%だった。
他の日も同じような傾向を示しており、病院でのクラスター発生を除けば1日当たりの感染者は第1波、第2波の20~30人台とそれほど変化はないる拡大期も減少期も高齢者の感染者は一定数発生していることを示している。これは、三密を避ける自粛効果の現われと理解できるのではないか。
もう一つ、注視しなければならないのは無症状者が多く、経路不明者比率が50%を上回っていることだ。確か293人の感染者が確認された11月10日だったと思うが、小池都知事は「無症状者は100人」とインタビューに答えた。この無症状者の早期発見と経路不明者比率を下げることが喫緊の課題ではないか。