新型コロナ感染者の職業は不明が最多で35.0%-東京都は10月から新型コロナの感染者のオープンデータに職業を記載し公表しているが、11月8日現在、職業欄が不明(記載なし)は感染者6,678人のうち実に約2,400人に達している。データは週に1回更新される。
職業欄に記載があるのは4,470人で、最多は会社員の約1,600人(36.4%)。以下、学生約500人(10.9%)、その他約290人(6.1%)、飲食業約240人(5.4%)、自営業約220人(4.9%)、医療従事者約180人(4.1%)、接客業約180人(4.0%)、施設職員約120人(2.6%)の順となっている。
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他の自治体では感染者のオープンデータに職業を記載しているところがあり、今回、都も発表するようになったのは感染拡大を防止するのに役立つはずだ。
残念なのは、やはり「職業」欄が35%も空欄になっていることだ。
職業が〝不明〟なのは、感染経路不明者がほぼ一貫して50%を超えていることと符合しており、感染者は、保健所や医療機関に職業を伝える元気もなく重篤な状態で運び込まれたというより、むしろ職業を語ることをためらう何らかの理由により〝拒否〟するケースのほうが圧倒的に多いと思われる。
これこそが新型コロナの怖いところだ。感染者が治癒して退院し社会復帰を果たしたとき、周囲の人たちにどう伝えるのか。やはり沈黙を貫くのか。周囲の人たちもどう迎え入れるのか。われわれの想像以上にダメージは大きく、心のケアが求められるような気がする。