11月18日の東京都の新型コロナ感染者は8月1日の472人を上回る493人となり、過去最多を記録した。8月1日と11月18日の性別・年代別感染者の数値を比較してみた。20代、30代が大幅に減少している一方で、中高年が激増している。
8月1日と11月18日の数値を比較した別表・グラフを見ていただきたい。年代では10歳未満・10代はほとんど同じで、20代は216人(男性129人:女性87人)から123人(男性71人:女性52人)へ大幅に減少している。30代は108人(男性72人:女性36人)から92人(男性48人:女性44人)へ男性が減った分だけ減少している。
一方で、40代以上は全ての年代で増加している。40代は51人(男性36人:女性15人)から89人(男性57人:女性32人)へ女性は倍増。50代は38人(男性27人:女性11人)から66人(男性45人:女性21人)へ、60代も21人(男性14人:女性7人)から39人(男性28人:女性11人)へそれぞれ増加。
重症化率が高い70歳以上は14人(男性4人:女性10人)から58人(男性28人:女性30人)へ4倍増となった。
感染経路不明者は305人(不明率64.6%)から283人(不明率57.4%)へ改善している。
感染者が過去最多になったことについて、小池百合子都知事は18日、「かなり世代的にも広がりがある。高齢者の方々の重症化というのは顕著に出ていますので、高齢の方々、少しお体の具合悪い人は特に注意いただきたい」と語り、警戒レベルを引き上げる意向を示した。
また、全国でも過去最多を記録したことを受け、日本医師会・中川俊男会長は、Go Toトラベルの影響であるかどうかはエビデンスが明確でないとしたうえで「今後、このまま感染が拡大し続ければ、強い政策を打ち出すハンマーを振りかざさなければならない。強いハンマーというのはもちろん、緊急事態宣言や、ヨーロッパで言えばロックダウンとか、そういうことを含む」と述べ、21日からの3連休は「秋の我慢の3連休としていただきたい」と訴えた。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長は、「このままいくと、今までのいわゆるクラスター感染とか、国民の努力だけでは、なかなかコントロールするのが難しく、さらに強力な対応をしなくてはいけない事態になる可能性があると思う。今もう一度、ふんどしを締め直す時期だと思う」と危機感をあらわにした。
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記者もテレビを観ていて〝ハンマー〟〝ふんどしを締め直す〟などの激烈な口調にたじろいだ。ハンマーはあの鎌と槌をあしらったソビエト連邦の国旗を真っ先に思い出したくらいで、もうハンマーを振りかざすようなことはなくなったし、ふんどし(女性は湯文字)を知っている人はわれわれ団塊の世代以上の人(人口比22%)でないと知らないのではないか。
ネットで調べた。中川会長は69歳、尾身会長は71歳。小池都知事は68歳。菅総理は71歳。ハンマーもふんどしも湯文字もなじみがあるはずだが、国民にはどう響いたのか…。
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東京都のオープンデータから10月13日(水)から11月17日(火)までの5週間の新型コロナ感染者の性別・年代別数値をまとめた。
直近の11月11日(水)から17日(火)までの1週間の感染者は2,185人となり、前週(11月4日~10日)より619人、37.8%増加している。
1週間の感染者を年代別にみると最多は20代の546人(比率25.0%)で、以下、30代430人(19.7%)、40代346人(同15.8%)、50代314人(14.5%)、60代168人(同7.7%)の順。70歳以上の高齢者は198人(9.1%)。
5週間の感染者数の推移でも全年代で直近の1週間が最多となった。