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2020/11/25(水) 15:06

office workerにテレワーク浸透 ストレス増、やる気減退も ザイマックス総研 調査

投稿者:  牧田司

 ザイマックス不動産総合研究所は11月24日、2020年9月に実施した第5回目のオフィスワーカー調査の結果を踏まえ、首都圏勤務者の働き方の実態や価値観について最新の潮流をまとめたレポート「首都圏オフィスワーカー調査2020」を発表した。

 レポートでは、(1)コロナ禍におけるオフィスへの出社状況について、現在テレワークを実施していない「完全出社」であるワーカーは全体の37.3%で、オフィスに出社する理由は、「オフィスでしかできない業務がある(ハンコ文化など)」が57.9%と最も高い結果となった。

 働き方に関する施策について、2019年調査と比較すると全ての施策で実施率は増加傾向だった。特に「在宅勤務」(58.6%)は大幅に増加した。

(2)コロナ禍におけるテレワークの状況については、「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「その他の場所でのテレワーク」のうち一つでも実施している「テレワーカー」は回答者全体の62.7%を占め、コロナ危機前後に一時的にこれらを実施し、現在は実施していない「一時的テレワーク経験者」は14.2%だった。

 テレワーカーは1週間のうち平均で53.8%(時間ベース)をテレワークしており、「0%超10%以下」と「90%超100%以下」がそれぞれ2割近くを占めた。

  在宅勤務、サテライトオフィス勤務ともに感じているメリット1位は「移動時間・通勤時間の削減」だった。

 (3)コロナ危機発生以前から現在までの働き方の変化については、業務量の変化は「減った」(21.9%)が「増えた」(14.2%)よりも多い結果となった。

 やる気は「下がった」(25.7%)が「上がった」(9.3%)よりも16.4ポイント多く、ストレスは「高まった」(35.7%)が「軽減した」(15.2%)よりも20.5ポイント多い結果となった。

 (4)コロナ危機収束後の働き方としては、今後の働き方としてテレワークを少しでも希望するワーカーは全体の75.3%と、現在実施している割合よりも高かった。

 調査は、首都圏に居住する15~69歳の男女20,000人を対象に実施したもので、職業が「会社・団体の役員、会社員・団体職員」、職種が「管理的職業、専門的・技術的職業、事務的職業、営業職業」、在籍するオフィスが「首都圏(1都3県)」、主に働いている場所が「オフィス(事務所)、自宅」と回答した20~69歳の男女2,060人から得た有効回答をまとめたもの。

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 レポートは24ページに及ぶもので、コロナ禍での在宅勤務、サテライトオフィス勤務が増加し、メリットを感じている人が多い一方で、ストレスを感じている人ややる気が下がった人も少なくないことが浮き彫りになっている。記者が注目したのもこの点だ。

 コロナ禍での「ストレス」の変化について、「変わらない」(49.2%)が約半数を占めた一方で、「軽減した」(「非常に軽減した」と「やや軽減した」の合計)と回答した割合が15.2%であるのに対し、「高まった」(「非常に高まった」と「やや高まった」の合計)は35.7%と20.5 ポイント多い結果となった。

 ストレスが高まった理由としては、「テレワークで行える業務があるのにテレワークが全社で導入されていない」「通勤する際、満員電車のストレスに加えコロナ感染のリスクがある」「対面でないとコミュニケーションが取りづらい」「オンライン会議に慣れない」「感染防止に気を使わないといけない」「これまでは食事や飲み会がストレス発散になっていたが、今はストレス発散しづらい」「景気不安」などだ。

 一方で、ストレスが軽減した理由は、「テレワークが推奨され、通勤時間の削減や満員電車回避ができる」「テレワークにより人間関係が楽になって、マイペースで仕事ができる」「在宅勤務ができたことで、ワークライフバランスがとりやすい」「在宅勤務でリラックスできる時間が増えた」「無駄な会議が減った」などだ。

 仕事に対するやる気では、「やる気が変わった」35.0%の人のうち、「下がった」(「非常に下がった」と「やや下がった」の合計)と回答した割合が25.7%と、「上がった」(「非常に上がった」と「やや上がった」の合計)(9.3%)を16.4 ポイント上回った。

 やる気が上がった理由は、「通勤時間がなくなったので、時間が有効利用できる」「在宅勤務では比較的自分のペースで仕事ができ、集中しやすくやりやすい」「質疑応答や雑談が少ない分、作業効率が上がった」「コロナに関しての業務が増え、任される仕事が増えた」「コロナ禍で仕事があること自体ありがたい」などだ。

 逆にやる気が下がった理由は、「テレワークではコミュニケーションが取りづらい」「人とのコミュニケーションが極端に減り、孤独感を感じられるようになった」「在宅勤務ではオンとオフの切り替えがしにくい」「家にいると気が散ることが多い、人目がないのでだらけてしまう」「出社が必要な業務が多く、思うようにテレワークができないことで、自由にテレワークをしている社員と自分とを比べてしまい、モチベーションが下がっている」「リモートでも仕事ができる環境の整備を積極的に行う様子が会社にみられない」「一時的にリモートワークをしていたのに、緊急事態宣言解除後、即時中止された」「コロナの影響で業績の見通しも悪くなり、全社的に士気が下がっている」などとなっている。

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 ストレスの増大と軽減、やる気のアップダウンは紙一重、表裏一体だ。オフィスワーカーのストレスがたまらないよう、やる気を起こさせるためには社会の仕組みを変え、企業も努力しなければならない。「業務に適したスペースや什器が揃っていない」「コピー機がない」「費用負担(光熱費・通信費等)」「家が狭い」などの不満解消は個人の努力では難しい。23区内で20坪のマンションが買えない時代だ。個室の確保は難しい。

 しかし、オフィスワーカー自らの意識改革、工夫次第で不満を解消できることもたくさんあると思う。

 例えば、在宅勤務の最大の不満に上げられる「運動不足」。小生は、コロナ前は1日1~2万歩歩いていた。もちろん取材のためだ。コロナ禍で完全テレワークに移行した。取材も激減した。足腰を鍛えるため散歩をし、鉄アレイで鍛えるようになった。最初は2キロの鉄アレイをそれぞれ右腕と左腕で数十回上下するだけだったが、今では2つを一緒にして4キロを上げ下げしている。効果はてきめん。数十年ぶりに力こぶが復活した。以前は女性にも負けた腕相撲だが、今なら勝つ自信がある。誰も応じてくれないだろうが…。

 「仕事のオン・オフ」「長時間労働」-これはテレワークと関係ない。これができなければオフィスワーカーは務まらない。

 「コミュニケーション不足」も自ら積極的に動けば解消できる。小生は、隔週に1回行われている大好きな作家・丸山健二氏の「オンライン文学サロン」を視聴している。とても面白い。若い人に薦めたい。〝生きる〟意味が見つかるかもしれない。

 小生はテレワークの言葉などなかったころから在宅勤務を行ってきた。記者の仕事に勤務時間など関係ない。四六時中記事のことを考えている。そんな小生の今の最大のストレス・不満はマンションの取材ができないことだ。

 

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