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2013/04/18(木) 00:00

ゆとり世代の8割が中古住宅を検討 三井リアルティ

投稿者:  牧田 司記者

ゆとり世代の8割が中古住宅を検討

三井不動産リアルティ調査

 

 ゆとり教育を受けた20歳代の〝ゆとり世代〟の8割が中古住宅を検討-こんな興味深い意識調査を「三井のリハウス」を展開する三井不動産リアルティがまとめ発表した。

 住みかえ意識調査の第4弾となるもので、首都圏在住の “ゆとり世代” と呼ばれる22~25歳の社会人男女310名とその世代を子に持ち、住宅購入経験のある50~59歳の男女310名を対象にインターネットで住まいと距離に関する意識調査を実施したもの。

 調査によると、結婚後に親との「近居」を望む “ゆとり世代” は約3割にとどまる一方で、子供との「近居」を望む “親世代” は約6割にのぼった。

 また、 “ゆとり世代” はマイホーム購入時に約8割が中古住宅を検討し、7割以上は親からの資金援助を期待していないが、 “親世代” は2人に1人が子供のマイホーム購入時に資金援助をすると回答し、「資金援助をするので近くに住んでほしい」という希望を持っていることが分かった。

 同社は、この結果について「『失われた20年とともに成長し堅実・安定志向』と言われている “ゆとり世代” の特徴が表れる結果となった」としている。

 

◇     ◆     ◇

 

 ゆとり世代の約8割が中古住宅を検討し、7割以上が親からの資金援助を期待しないという結果は驚きだ。中古住宅が新築より安いというのが最大の理由だろうし、取得能力からいっても中古のほうが取得しやすいからだろう。これは賢明な選択だ。耐震性などに問題のある中古は敬遠したほうがいいが、中古だからといって基本性能が新築より劣るということはない。親に頼らないというのは、自立心が旺盛とも取れるが、親の懐具合をきちんと把握しているからだろう。

 その一方で、親世代は資金援助を考えており、近居を望んでいるという結果もやや驚きだ。援助額は平均で約500万円だ。500万円しか援助できないのもまた親世帯の寂しい懐具合を示している。

 もう一つ、注目したのはマイホームの購入を将来的に望まないゆとり世代は、「購入したくない」(20.3%)と「あまり購入したくない」(15.2%)と合わせると35.5%にものぼることだ。その理由は明示されていないが、〝飲まず食わず〟でせっせせっせとマイホームの頭金を貯めたわれわれ団塊世代からすると理解できない。

 マイホーム取得だけが人生の目標ではないのは確かだが、日本国憲法でいう「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する 」(第25条)生存権は闘い取らないと国は保障してくれないのは確かだ。富裕層は分譲だろうが賃貸だろうが選択肢は多いが、一般的なサラリーマンにとって選択肢は多くない。賃貸はあらゆる面で分譲よりはるかに劣る。中長期的に見ても賃貸は冷遇され続けるのではないかと思う。

 劣悪な居住環境だからといって心まで貧相になるとは限らないが、住居は人生を豊にする、心を豊にする生活の基本だ。人格形成に大きな影響を与えるのは間違いない。「健康で文化的な最低限の生活を営む」ことを諦めないでほしい。

 

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