東京都の新型コロナ感染拡大が止まらない。12月10日は602人となり、これまで最多だった12月5日の584人を上回る過去最多を記録した。感染経路不明者も62.3%と6割を超えた。
年代別・性別では、40代男性が77人となり、11月21日の69人を上回る過去最多となったほか、30代男性の85人、50代男性の54人も2番目の多さとなった。70歳以上の感染者は63人で10.5%となっている。
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新型コロナ感染者は東京都だけでなく全国でも過去最多水準で推移していることから、Go Toトラベルなどキャンペーンとの関連性が取りざたされているが、キャンペーン以前でも東京都の経路不明者は50%を超えており、そもそも政府はキャンペーン利用者を追跡調査などしていない。因果関係が不明になるのは素人でも分かることだ。
それでも何らかの手掛かりがつかめないか。記者は緊急事態宣言前の3月31日までの第1派521人、第2波の真っ盛りの8月7日の461人、そして12月10日の602人の都の感染者のデータを比較してみた。
別表・グラフがそれだ。これによると、第1波では20代から70代まで感染者は幅広く分布しているのが分かる。60台以上は171人で、全体の32.8%を占めた。
第2波は、緊急事態宣言の効果か、感染者の属性が大きく変化した。8月7日は20代と30代が突出しており、全体の感染者の65.9%を占めている。60代以上は36人で7.8%にとどまっている。7~10月は若年層が感染者の半数を占めるというこの傾向が続いた。
そして今回。何よりも絶対数が増加し、第1波と同じように各年代への広がりが顕著だ。60代以上は103人、比率も17.1%となり、第2波の3倍近くに増加している。
このように第1波-第2波-第3波(と呼べるのか)は似ているところもあれば全く異なるとも受け取れる。Go Toキャンペーンとの関連性は分からない。〝見えない敵〟に立ち向かうためにはデータは少なすぎる。