ナイスは12月18日、東京証券取引所から2020年12月19日付で特設注意市場銘柄の指定を解除する旨の通知を受領したと発表した。
同社は、2019年5月16日、金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書の提出罪)の容疑で、証券取引等監視委員会の強制調査、横浜地方検察庁の強制捜査を受けて以降、東京証券取引所から内部管理体制等について不備があるとして2019年9月20日付で特設注意市場銘柄に指定されていた。
その後、同社は過年度の決算単信、有価証券の見直し・訂正を行い、2020年1月29日付の「改善計画・状況報告書の公表について」で創業家と決別し、コーポレート・ガバナンス体制と企業風土を抜本的に再構築する方針のもと、改善計画を策定し、その後も随時、更新、拡充しながら、再発防止に取り組んできた。
そして今回、東京証券取引所から「内部管理体制について相応の改善がなされたと認められ」、注意銘柄解除の通知を受けた。
同社の株価は、事件発覚前は1,000円を突破していたが、事件発覚後は急落。6月24日には最安値515円まで下落。その後は順調に回復し、新型コロナの影響で一時は下落したが、12月15日には年初来最高値の1,690円(12月18日の終値は1,666円)をつけた。事件発覚後の最安値から約3.3倍となった。
業績も回復しており、2021年3月期は前期比減収ながら営業利益、経常利益とも大幅黒字に転換すると予想。期末配当も3期ぶり復配となる15円を予定している。