サンフロンティア不動産は1月18日、リプランニング®(不動産再生事業)の「THE WAVES AKIHABARA」が1月20日に竣工するのに伴う報道陣向け内覧会を行った。「暮らしに近いワークスタイル」をテーマに、社員の「快適性」と「健康」を追求している意欲的な商品企画だ。
物件は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩8分、都営新宿線岩本町駅から徒歩6分、JR総武線馬喰町駅から徒歩4分、千代田区東神田2丁目に位置する1985年3月竣工の敷地面積約422㎡、9階建て延べ床面積約2,304㎡。2年前に1棟ごと取得し、従前テナントが入居している4フロアを除きリノベーションしたもの。改修費は約2億8,000万円。
最大の特徴は、従前は閉ざされた駐車場だった最大天井高4300ミリの1階のスペース約73坪を「心地よい自然風が通り抜ける社員の快適性と健康を追求」したオフィスにしたこと。
幅員約20mの前面道路とその裏側の道路に面した外壁に開口部を設けることで風通しのいい空間に変えた。エントランスには約30㎡の「土間」とそれに続く「縁側」を設置。ドアはスライド式にして小型車を入れたり展示スペースにしたりできる多目的空間を演出。オフィス裏側には専用テラス・車庫を設置している。オフィス部分にはキッチンも設置し、靴を脱いで働くことやペット持ち込みも可能としている。
2階ほかの4フロアは、「日本らしさを感じられるdesing」をテーマにグレー、アイボリーを基調としたカラーリングとし、縁側ゾーンや堀こたつ式ブースを設け、コーヒー豆を再利用した消臭効果のある壁材、壁にそのままメモなどを書き込めるボードなども配置している。
「快適性」「健康」の取り組みとしては、アルコール什器、空気循環式紫外線清浄機、抗菌塗装、高性能フィルター付き換気設備、テレカンブース、音響設備、バイクシェア、カーシェア、屋上ガーデン(交流の場)を整備している。
同社リプランニング事業部2課第1グループ次長・寺田健氏は、「生産性向上と快適性を掛け合わせた新しいワークスタイルを提案した。従前の賃料は1.5~1.6万円/坪だったのをセットアップし1階は2.8万円/坪、そのほかは2.1万円/坪に設定した。1階は水曜日から募集を開始する。他の4フロアのうち2フロアはテナントが決まっている」などと話した。
アルコール什器(手をかざすと「thank you」の文字が手のひらに浮かび上がる)
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同社のリプランニング物件は、「A YOTSUYA(エー ヨツヤ)」に続き2度目だが、「利他」を社是・経営理念に掲げるだけあって痒いところに手が届く商品企画だと思う。全体的にグレーを基調にしたカラーリング・デザインがいい。
驚いたのはペットの持ち込みを可能にしたことだ。記者はオフィス事情には疎いが、この種の規模でペット可のオフィスはまずないのではないか。このような自宅と働く場をシームレスにつなぐ取り組み・企画は支持されるはずだ。(ペット同士が恋に陥り、子どもを胎ませ胎ませられたらどうするのかという質問をぐっとこらえたが)