今日(2月5日)は、どこからもニュース・リリースも届かない。なので、このところずっと気になっているわが団塊世代の菅義偉総理の演説、記者会見での話法・癖について書く。
菅総理は秋田県出身なので、東北弁が混じるのは何とも思わない。むしろ歓迎したいくらいだ。気になるのは、たいした意味のない「そうした」などの連体詞を頻繁に使い、そしてまたメディアなどにも〝自信のなさの表れ〟などと指摘されている「思います」もたくさん話される。
例えば、2月2日の新型コロナ緊急事態宣言延長を表明したときの演説・質疑応答。前半の演説の中では「そうした」「思います」はそれぞれ1、2度くらいしか使用しなかったのに、後半の質疑応答では連体詞の「そうした」を13回と「こうした」を7回、接続詞の「そして」を5回、「思います」を15回使った。次の場面だ。
「緊急事態宣言を発出することによって、多くの国民の皆さんに絶大なるこの大きな制約というのですか、そうしたことをお願いするようになるわけですから、できれば限られた中で感染拡大を阻止する、そうしたことも、できればそうした可能性というものを、やはり追求に追求をしました」
「今回、こうした支援の手が届いていない、そうした声もある中で、緊急小口資金の拡充を行いたいと思います。さらに、大企業の非正規の方々への対応、こうした方々にもきめ細かな支援を行っていきたいと思って、今、検討させていただいています」
「このワクチンの確保は、日本は早かったと思います。全量を確保することについては早かったと思います。ただ、接種までの時間が海外に遅れていることは事実であります。それは日本の手続という問題も一つあると思います。慎重に慎重に、いろいろな治験なりを行った上で日本が踏み切るわけでありますから、そういう意味で、遅れていることは現実であるというふうに思います」
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「そうした」の発音の「し」は「す」にも聞こえるのは、いわゆる「ズーズー弁」なので微笑ましいのだが、これほど頻々と登場すると鼻についてくる。
「まぁ、そのぉ~」(田中角栄)「あ~う~」(大平正芳)もひどかったが国民から支持された。小泉純一郎氏も安倍晋三氏も意味は不明でも言語は明瞭だった。
参考になるかどうか。第三企画では、人前で話すときの「思います」は禁句になっている。内心で「思う」のはそれぞれ勝手だが、あいさつなど他人に対して意思表示するときははっきり話そうという約束事だ。「思います」と話したらすぐ周りの人が指摘する習慣にもなっている。そうすると不思議なことにみんな「思います」と話さなくなる。訓練を積めばできるようになる。
菅総理に上申する人はいないのだろうか。