大和ハウス工業は2月22日、水洗トイレ・シャンプーシンク一体型猫専用ユニットバス「ネコレット」を2021年2にゃん月2 2にゃんにゃん日(猫の日)に発売すると発表した。この種の商品は業界初。ニューノーマル時代を見据えた住まい提案第三弾。
商品は、猫がトイレに尿を排泄し、退出後に自動洗浄ができるようにセンサーを搭載したトイレ「猫トイレパン」を設置し、ファンを内蔵した光触媒作用による脱臭器も併設することで、トイレ空間にこもる臭いを軽減する。
また、水が嫌いな猫のシャワーに対するストレスを軽減させるため広々とした深型シンク(深さ22cm×幅63cm×奥行37.5cm)に加え、猫の転倒防止用滑り止めゴムマットを採用。シンクは三面を高くしたため「猫シャン」時の水跳ねも気にならなくしているのが特徴。シャワーヘッドにはマイクロバブル水栓を搭載している。
開発に当たっては、日本を代表するアーティストで愛猫家のDREAMS COME TRUE 中村正人氏がコンセプター/発案者として企画した。
寸法は幅98cm×奥行59cm×高さ110cm。販売目標は年間100ユニット。本体価格は36万3,000円(税込)。
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報道関係者向け発表会がこの日(猫の日)10:30~12:00、オンライン配信によって行われた。同社取締役常務執行役員・大友浩嗣氏と中村正人氏が登壇し、メディアとの質疑応答にも30分くらい時間をかけるなどとても面白い発表会だった。
記者も小さいころ、実家がオス猫を飼っていた。放し飼い同然だったので家の中で排泄することはなかったが、ネズミを捉えるとこれ見よがしに三和土で食べ、抜け毛をそこら中にばらまき、泥足で動き回り、隣近所の野良猫を引き込み、食器棚を難なくこじ開ける狼藉には閉口した。
さらに、猫の尿は草花を枯らすほどの威力があり、強烈な悪臭を放つ。大きな家ならともかく、マンションなどの家の中で飼育するというのは理解できない。そもそもそもそも猫は風呂など水が大嫌いなはずだ。給排水の設備にはそれなりの費用が掛かり、どこに設置するかも問題だろう。
まあ、しかし、ペット飼育者の悩みを解決しようとする姿勢は買える。年間販売目標が100ユニットなのは、多いのか少ないのかわからないが、業界初という宣伝効果を考えたらもとは回収できると読んでいるに違いない。
大友氏は賃貸住宅への展開について聞かれ、「賃貸は大家さん次第。サービスの一環。」と答えたように爆発的なヒットは考えていないようだ。中村氏も「(排せつ物の処理など)課題解決のために考えたもので、風呂ありきではない」と答えた。猫に対する愛の深さとはあまり関係がなさそうだ。
ペットフード協会の調査によると、2020年10月現在、全国の犬の飼育頭数は約8,489千頭、猫の飼育頭数は約9,644千頭で、1 年以内に新たに飼われた猫と犬は約95万頭・匹(前年比約15%増)と推計されるという。わが国の世帯数は約5,690万世帯だから、多頭飼育を考慮しなければ約31.8%の世帯で飼育していることになる。凄い数だ。
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記者は、じわじわと自動洗浄バスが売れているように感じる。風呂掃除ほど面倒で時間のかかる家事労働はない。その労力をお金に換算したら1万円/月はくだらないはずだ。
それより、記者が期待しているのは人間自動洗浄バス(人間洗濯機)だ。これが開発されたら、浴室スペースは半分以下に収まるだろうし、水道使用量も激減し料金は半減する。そしてまたバーチャルウォーターの概念を取り込み、その効果を金額に換算したら1世帯当たり年間100万円、全世帯では数兆円に上るはずだ。
大和ハウス工業がこれを開発したら、売上高は10兆円どころかその数倍に上るはずだ。大友さん、ぜひ開発に着手していただきたい。
ニャンともうらやましい 大和ハウス「猫と暮らすまちなかジーヴォ」オープン(2017/3/22)