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2013/05/13(月) 00:00

有為転変、諸行無常…プロパストは再び輝くか

投稿者:  牧田 司記者

有為転変、諸行無常 …プロパストは再び輝きを取り戻すか


「ワザック流山おおたかの森」完成予想図

 プロバストが販売代理をしている東日本ハウス「ワザック流山おおたかの森」を見学した。もともとプロパストが企画した物件で、東日本ハウスが事業を継承し、突き板フローリング、ソーラーパネル、活水化システムを付加して分譲するものだ。

 物件は、つくばエクスプレス/東武野田線流山おおたかの森駅から徒歩3分、流山市流山都市計画事業新市街地地区一体型土地区画整理事業施工区域内に位置する10階建て全27戸の規模。専有面積は67.10~76.13㎡、1期(13戸)の価格は3,240万~4,120万円。竣工予定は2013年6月下旬。施工はりんかい日産建設。

◇     ◆     ◇

 モデルルームを見た瞬間、同社が一世を風靡した一連のマンションがよみがえった。冒頭の突き板フローリング、ソーラーパネル、活水化システムを除けば、商品企画はプロパストのそれだった。

 カラーリングはデザイン性を重視。リビングドアはソフトクローズ機能付き。キッチンの天井高はリビングと同じ 2420 ~ 2450 ミリ。洗面・トイレ手洗いカウンターもおしゃれなものを採用している。

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 同社のこれまでの足跡をたどるとまさに有為転変、諸行無常の言葉がぴったりだ。

 記者が同社のマンションを最初に見学したのは2002年竣工の「コンパートメント東京中央」(208戸)だった。まるでブティックのような販売事務所の造作や白と黒、赤を基調としたカラーリングに仰天した。

 以来、「レゾンデパン大磯」(48戸)「プラティーク日本橋」(86戸)「ラ・マーレ白金」(67戸)「レジデンシア春日安藤坂」(105戸)「ラ・プラース ウエスト」(120戸)「オリゾン マーレ」(396戸)「ガレリア グランデ」(413戸)「リヴィエ マーレ」(207戸)「プラーサ ヴェール」(524戸)など主だったものを全て見学してきた。

 同社はモデルルームの飾る花1本を探すのに都内の花屋を駆けずり回り、パンフレットを入れる紙袋は手垢の跡が目立たないようコーティング加工までした。敷地内の松の大木を残すため建物の形状を変えることもためらわなかった。記者はそうした同社のこだわりとマンション事業に対する熱い思いに共感するものがあった。

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 同社は2006年12月、ジャスダックに上場。株価が暴騰した。その矢先、サブプライム、リーマン・ショックが同社を襲った。マンション事業だけでなく流動化事業などにも手を広げていた同社の経営を直撃。瞬く間に〝死に体〟状態に転落。2010年には法人税などの滞納により同社の銀行口座や保有する販売用不動産などが都や国税局から差し押さえされ、同年5月、民事再生法の適用を申請した。負債額は554億円だった。上場は廃止せず、その後、債務の株式化、債務免除などで2011年2月18日付で民事再生手続の終結決定がなされた。

 今後の事業展開については、同社の強みであるデザイン力やプレゼンデザイン力を生かして不動産企画事業や販売代理業務を展開し、事業規模の大きなプロジェクトに関しては、共同事業のスタイルによりコスト負担を抑制しつつ事業拡大を図るとしている。

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 デザイナーズマンションの草分け的な存在である同社が再び輝きを取り戻すことができるのか見続けたい。現在、自社分譲の「レジデンシア新横浜」(40戸)は1カ月も経過していないにもかかわらず約半分が売れているという。

プロパスト 民事再生手続き 上場維持しながら再建へ(2010/5/14)

 

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