プレハブ建築協会住宅部会(加盟20社)は3月23日、メディア向け2020年度の活動状況をオンラインで報告した。
「住生活向上推進プラン2020」の実績(9社)については、①住宅性能表示取得率は戸建て83.5%(目標85%)・共同住宅5.2%(同10%)②入居者アンケート総合満足度76.4%(同85%)③長期優良住宅認定取得率84.0%(同85%)④点検・修理等 履歴管理実施率92.0%(同100%)⑤ZEH供給率61.8%(同70%)⑥居住段階CO2排出量削減率45.9%(同70%)-などと目標を下回ったものの高い数値となった。
CS品質委員会の「信頼されるすまいづくりアンケート」調査結果では、「とても満足」33%(前回37%)と「満足」44%(同41%)を合わせ77%(同78%)となった。
環境分科会の環境行動計画「エコアクション2020(2011~2020年)」では、新築戸建てのZEH供給率を国の目標50%を大幅に上回る70%にしているが、7社全社が個社目標を達成すれば70%に達する見込みとしている(19年は7社のうち6社で個社目標を達成)。
ZEHの普及に伴い強化外皮基準を満たす戸建住宅の供給率が大幅に増加、高効率給湯器はほぼ標準化したほか、燃料電池の普及は前年同程度となり、やや頭打ちで、太陽光発電システムの設置率は2年連続で増加し、過去最高に迫る水準になり、HEMSは約6割、蓄電池も2割強の住宅で導入され、次世代スマートハウスへの進化が着実に進展したとしている。
工場生産に伴うCO2排出量は、2010年比▲8.5%(総量)となり、省エネ性能の向上に伴うCO2削減貢献量(累積)は排出量の約11倍となった。
このほか、住宅ストック分科会では、新しい生活様式へのリフォーム各社の対応について昨年8月と12月の2回ヒアリングを行い、新型コロナを経験したことで、潜在的なニーズを顕在化させる提案型リフォームに転換できるチャンスと捉えていることが報告された。
◇ ◆ ◇
へそ曲がりの記者は、以前から思っていることだが、嫌みな質問をした。CS満足度が77%に達しているのは結構なことではあるが、顧客は依頼に応えてくれると期待して発注するのだから満足度がそれなりの数値に達するのは当然だ。気になるのは回答率の低さだ。プレ協担当者は毎年50~60%と話したように、残りの顧客はどう考えているのか、むしろこの人たちから回答を引き出す工夫が必要だと思う。敢えて「不満」を引き出すようなアンケートに切り替え、その不満を解消する取り組みを行えば顧客満足度は飛躍的に増大するはずだ。
この質問に、ブレ協は新たな質問を検討していると答えた。期待したい。
もう一つ、「都内を中心に敷地規模が20坪以下の狭小住宅がものすごい勢いで増えている印象を受ける(住宅着工統計などでは戸建ての敷地面積については非公開)のだが、良好な住環境は担保されるのか危惧している。プレ協の会員は狭小敷地にも対応できるのか、データはあるか」の質問をした。
担当者は、「技術的には対応は可能だが、各社ともそれを売りにするような営業は行っていない」とのことだった。
この問題については、行政がデータを公表し、考えることができるようにすべきだと思っている。