RBA OFFICIAL
 
2021/05/04(火) 14:04

情けない業界紙 猛威振るうコロナに同調 独自・現場取材ほとんどなし

投稿者:  牧田司

 ひどい世の中になってきたものだ。西村経済再生相は一昨日、「屋外でマスクを付けていても感染が相次いでいる」と発言した。外に出るなということか。宣言前はタバコ2本を吸うためにコーヒー代に1,350円も払って京王プラザを利用したが、今はどこも酒、たばこは禁止。昨日は仕方なく、スーパーで缶ビールを買って、公園ベンチに座り、むき出しでは白い目で見られそうなのでビニール袋に入れて、本を読みながら飲んだ。西武ライオンズは負けが込み、ついに5位転落。取材は7日に2本、11日に1本のみ。

 やることがないから、わが業界紙の最新号を読んだ。これがまたひどい。記者のぼやきなど読みたくないだろうが、ざっと以下の通りだ。

 「住宅新報」の5月4日号Web版。面白そうな記事見出しをチェックした。トップは「春の繁忙期 首都圏賃貸住宅市場 コロナ転機、コア業務に注力 需要変化と顧客対応」だが、記者は賃貸住宅市場に興味はないのでスルー。もっとも興味があるマンション・開発分野は、独自取材によるニュースはなし。

 びっくりしたのは、「野村不HD 21年度売上高、利益とも過去最高 住宅と海外が業績をけん引」の記事だ。同社の2021年3月期はコロナの影響を受け減収減益たったのでフェイクニュースかと思ったら、なんと2022年3月期の予想記事だった。決算数字は遅行指標だから、次期決算予想について書くのは勝手だが、コロナがどうなるかわからない時点でこの種の記事を書くのはいかがなものか(同社は商業、ホテル事業の比率は高くないのは理解できるが)。まず事実から先に報じるべきだ。

 〝羊頭狗肉〟の極めつけは「ニュースが分かる! Q&A エリア別首都圏コンパクトM事情 高額化で供給エリア変動」だった。このところのコンパクトマンションの価格(坪単価)上昇について触れたものだが、自ら足で稼いだ情報(情報源は予想がつく)ではないので、真新しい具体的な動きについてはなにもなし。「先輩」と「後輩」のばかばかしい漫才で終始している。紙がもったいない。

 蛇足ながら、人の財布の中身を探りたいのは小生も同じ。「後輩」の方は足立区の40㎡のマンションを購入したそうだが、北千住はあるかどうか知らないが、坪単価は300万円以上だろうし、他のエリアでも坪280万円以下はありえない。「後輩」の方、貴殿の買ったマンションは3,600万~3,800万円くらいと予想したがどうだろう。記者なら、彼女が出来ても困らないようもっとポテンシャルの高いエリアを選ぶ。大きなお世話か。

 〝なるほど〟と思わせる記事もあった。「GW商戦に向け新商品相次ぐ スキップフロア、ニューノーマル対応を提案 富裕層向けや普及価格の大空間も」だ。セキスイハイムやパナソニックホームズが平屋商品を発売するのは時代のニーズに合っていると思う。大和ハウスの富裕層向け「希(まれ)」は、記者もオンラインで取材したが、同紙の記事はあっさりしたものだったのは意外な気がした。

◇       ◆     ◇

 4月26日付「週刊住宅」は、「水害より地震、物件価格に影響 分譲マンション約9%低下 倒壊への不安、8割以上に タワマン、弱点露呈」などと長ったらしい見出しの記事がトップだ。「災害リスクが分譲マンション価格にどのような影響を及ぼすか考察してみた」とあるので読んだが、中身は全くなし。ニッセイ基礎研究所や東京都の公表データをなぞっただけ。「考察」の使い方を間違っている。あとはプレス・リリースのオンパレード。現時点(5月4日)で5月3日号のWeb版はまだ掲載されていない。

 コロナが猛威を振るっているのに同調するのか、両紙にはそれでも業界紙かといいたい。情けない。独自・現場取材をしなくなったら記者じゃない。かくいう記者は先週、5件の現場取材記事を書いた。読み比べていただきたい。

 ついでに、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」について。同紙は評論記事は少ないが、プレス・リリースはもちろん発表会・見学会の模様は過不足なく伝えている。小生の記事よりはるかにまとまっているものも少なくない。購読は無料だし、1週間遅れの新報や週刊住宅より業界の動きがよくわかる。「日刊不動産経済」は購読していないのでよくわからないが、独自取材記事もあるようだ。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン