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2021/05/13(木) 19:01

三菱地所 2021年3月期 減収減益 コロナ影響額400億円 次期は売上・利益とも最高へ

投稿者:  牧田司

 三菱地所は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高は1兆2,075億円(前期比7.3%減)、営業利益は2,243億円(同△6.8%減)、経常利益は2,109億円(同3.9%減)、純利益は1,356億円(同8.6減)と減収減益となった。

 新規オフィスビルの通期稼働や竣工、及び既存ビルの賃料増額改定等によりビル賃貸利益は増加し、マンション利益率も改善したが、新型コロナウイルスの影響を受けた商業施設、ホテル事業の利益の減少、海外事業の物件売却収入・利益が減少した。

 固定資産売却益、有価証券売却益など特別利益として1,660億円、固定資産除却関連損、子会社清算損、新型感染症対応など特別損失として263億円を計上した。コロナ影響額は、ホテル、商業施設とも約170億円など全体では400億円としている。

 セグメント別では、オフィス、商業施設、ホテルなどのコマーシャル不動産事業は売上高6,724億円(前期比7.1%減)、営業利益1,807億円(同3.8%減)。オフィスは、四谷タワーなどの通期稼働、みずほ丸の内タワー・丸の内テラス等の竣工、既存ビルの賃料増額改定などにより賃貸収入・賃貸利益が増加した。空室率は2.35%(前期末1.86%)と若干上昇した。商業施設やホテルは、新型コロナの影響を受け、収入、利益とも大幅に減少した。

 住宅事業は、売上高3,627億円(同5.9%減)、営業利益240億円(同1.0%減)。国内分譲マンションの売上計上戸数は増加したが、首都圏郊外や地方都市での売上計上物件が多く、平均戸当たり単価の低下により減収。一方、粗利益率の上昇により利益は増加した。海外は、アジアでの分譲マンション事業利益などが増加した一方で、前期に計上した英国での物件売却による収入・利益の反動減があった。

 2022年3月期業績予想は、新規ビル竣工やキャピタルゲイン増加などを見込み売上高1兆3,260億円(前期比9.8%増)、営業利益2,450億円(同9.2%増)、経常利益2,200億円(同4.3%増)、純利益1,420億円(同4.7%増)、と売上高・営業利益・経常利益とも過去最高を見込む。配当は33円を予想している。

 なお、純利益が前回予想を上回ったため年間配当を30円予想から31円に増配する予定。

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 記者の取材フィールドであるマンション事業がどう着地するか注目していた。前日の東急不動産ホールディングスが完成在庫を827戸(前期比82.6%増)も出したからだ。

 マンションの売上高2,035億円(前期比0.2%増)、計上戸数3,214(前期は3,476戸)、粗利益率18.7%(同17.8%)、完成在庫213戸(前期比160戸減)となり改善した。2022年3月期は2,030億円、計上戸数2,900戸、粗利益率20.0%を予定している。

 オンライン決算説明会で、同社取締役兼代表執行役執行役専務・片山浩氏は「当初はコロナの影響で在庫が増え、値引きも想定していたが、予想以上に好調に推移した。しっかりと良い物件・エリアを選んで、そのエリアにマッチングしたスペックの良いものを創っていけば、都心も郊外も好調は持続できる」と語った。

 記者は、同社のマンションをこの1年間1物件も見学していないのでよくわからないのだが、業界全体としては価格が上昇する一方で、その分だけ専有圧縮、設備仕様レベルダウンしていると思っている。質問したかったが、決算資料を読み込んでおらず、パソコンの操作の仕方もよくわかなかったのでやめた。同社のスペックは落ちていないと理解することにした。

 

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