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2021/05/14(金) 11:50

住友不動産 2021年3月期 減収減益 マンション大幅戸数減ながら営業利益は過去最高

投稿者:  牧田司

 住友不動産は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高9,174億円(前期比9.5%減)、営業利益2,192億円(同5.4%減)、経常利益2,099億円(同4.8%減)、純利益1,413億円(同0.3%増)となった。営業外損益の改善が進み、純利益は10期連続増益、8期連続最高益を達成した。

 セグメント別では、オフィス、ホテルなどの賃貸事業は、売上高3,982億円(同0.6%増)、営業利益1,552億円(同8.4%減)。ホテル、イベントホールなどは新型コロナの影響を大きく受けたが、オフィスは、空室率2.8%(前期末は1.4%)の低水準を維持するなど増収増益となった。

 不動産販売は、売上高2,633億円(同18.9%減)、営業利益539億円(16.0%増)。計上戸数は前期の5,431戸から4,164戸へ大幅に減少し、売上高も減少したが、広告費、販売費の減少、粗利益率の改善により営業利益は過去最高となった。マンションの期末完成在庫は1,184戸(前期末1,466戸)。次期計上予定戸数3,800戸の期首契約率は約80%(前期は約80%)まで進捗している。

 新築そっくりさん・注文住宅などの完成工事は、売上高1,887億円(同13.8%減)、営業利益155億円(同24.4%減)。計上棟数が9,940棟(同16.7%減)となったため減収減益。

 不動産流通事業は、売上高657億円(同7.6%減)、営業利益114億円(同21.3%減)。仲介件数は35,122件(同2,593件減少)。

 次期業績予想は、売上高9,200億円、営業利益2,280億円、経常利益2,210億円、純利益1,500億円の増収増益を目指す。不動産販売は減収減益を予想。

◇      ◆     ◇

 マンションが好調を維持している。同社は第八次中期経営計画(2020/3~2022/3)では「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」と戦略転換し、マンション・戸建ての計上戸数は2019年3月期の5,948戸から2021年3月期は4,149戸へと約1,800戸も減らしながら、営業利益は過去最高となった。

 〝機を見るに敏〟の言葉がピッタリの値付けもさることながら、プロジェクトごとの販売事務所を設けず、総合マンションギャラリーを首都圏に7館、関西に2館、東海に1館に集約し、広告費、販売経費などを削減しているのも大きい。

 売上高を計上戸数で割った1戸当たり単価は2019年3月期の5,435万円から2021年3月期は6,083万円へ648万円も上昇しているのも「好球必打」を実践している証拠か。


 

 

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