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2021/06/17(木) 10:12

コロナ感染経路不明6割超はなぜ/高齢者の感染割合低下くっきり

投稿者:  牧田司

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 新型コロナの緊急事態宣言期限の6月20日まであと3日となった。政府は、沖縄を除く他の都府県の宣言を解除し、まん延防止等重点措置に切り替えると伝えられている。記者が気掛かりなのは、感染経路不明比率がこのところずっと6割を超えていることだ。

 6月8日(火)から6月15日(火)の8日間の東京都の感染者は3,000人で、このうち感染経路不明者は1,927人、経路不明比率は64.2%に達している。国の基準では「感染者が急増」「医療供給体制に支障」段階のステージⅢに該当する。

 経路不明比率は、大阪府が60%を超えるなど他の道府県でも上昇傾向にあり、気になる材料だ。その理由は、感染率が高いとされる変異株の影響なのか、あるいは感染症対策業務に追われている医療・介護現場や保健所が疲弊しているためか、積極的疫学的調査に限界があるのか、厚労省はきちんと説明すべきではないか。

 この問題について考えるヒントを日本看護協会が与えている。同協会会長・福井トシ子氏は4月23日、国民と同協会会員向けに発信したメッセージの中で、医療・介護現場からの「悲痛な叫びに胸が締め付けられる」「(医療・介護現場は)限界に近付いている」と語っている。

 また、同協会は令和4年度税制改正要望の中で、看護職員は2人にひとりの割合で何らかの暴力・ハラスメントを受けており、さらに労災支給決定事案のうち看護師の精神障害割合が高く、そのほとんどが女性で約半数は30代以下としており、ストレスの要因は患者からの暴力や悲惨な目撃が8割、発生時刻は深夜が多いと、深刻な勤務環境の改善を求めている。

 経路不明比率が5割を割らないのは、このような保健所を含めた過酷な医療・介護現場の労働環境にもあると思わざるを得ない。

◇       ◆     ◇

 高齢者のワクチン接種が進むにつれて感染者に占める高齢者の感染比率が低下傾向にあるなど、光明も見えてきた。

 別表・グラフに70歳以上の感染者と感染比率を示した。これによると、5月下旬までの比率は10%前後で推移していたが、6月に入ってからは7%を割る日が多くなっている。今後は職域接種の効果も期待できそうだ。

 

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