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2021/08/01(日) 17:53

結局はワクチン頼みか 出勤率7割減に厚い壁 東京都 新型コロナ 感染爆発

投稿者:  牧田司

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 7月31日の東京都の新型コロナ感染者は、5日連続して過去最多を更新する4,058人を記録した。高齢者向けのワクチン接種が進む一方で、従来株の2倍ともいわれるデルタ株の感染力の強さの結果とされる。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長からは「感染を下げる要素はないが、上げる要素はたくさんある」「行政と市民で危機感を共有できていないことが最大の問題」と指摘されているが、結局はワクチン頼みしかないのか。「出勤率7割」というのは厚い壁だ。

 別表・グラフは、7月31日の年代別・性別感染者の数値を示したものだ。

 20歳代は1,484人で、過去最多だった7月29日の1,417人を上回った。1日当たりの感染者としては第3波の2倍以上となっている。

 30歳代は887人で、20歳代と同様、過去最多だった7月29日の782人を上回った。第3波は500人台だった。

 40歳代は583人で、7月29日の612人より減少。第3波では400人台だったので、20歳代、30歳代と比べ増加比はやや鈍化している。

 50歳代は398人。過去最多だった1月7日の407人よりは少ない。

 60歳代と70歳以上はワクチンの効果で激減しており、双方で全体の4.9%となっている。

 一方で激増しているのが10歳代と10歳未満。10歳代は354人で、第3波では1月7日の131人が最多だったのが7月17日に110人と100人を超えると、その後は増加の一途。10歳未満も第3波、第4波では100人を超える日はなかったが、7月半ばから目立って増え続け、最近4日間は連続して100人を突破している。

◇       ◆     ◇

 小池百合子都知事は7月30日の会見で、感染拡大の要因について「デルタ株の感染力は、前から1.5倍というふうに言っておりましたけれども、昨日も専門家の先生方がおっしゃるには、感染力は2倍近く強く」、「繁華街の滞留人口は1月の宣言時と、実は同程度まで減少はしている。しかしながら、残念ですが、このデルタ株の強力性に、その人流の減少が追いついていない」とし、感染経路については、「療養者の方々にアンケートを取ったところ、療養者すなわち陽性になった人、3人に一人が飲酒を伴う懇親会、また同居者以外とのマスク無しでの会話などを行ったということが分かっている」と語った。

 感染拡大を防止するカギとして、「ワクチンというゲームチェンジャーが出てきているわけですから、(三密など)素手で戦っている今の部分と、ワクチンの接種のこの時間をどうやって稼いでいくか」と述べ、事業者に対し計画的な長期休暇の取得や、テレワークなどを強化し、出勤者数の7割の削減を改めて徹底することを要請し、8月2日(月曜日)から始まる大学、短大生のワクチン接種を呼び掛けた。

◇       ◆     ◇

 都知事が要請している「出勤率7割削減」の実現には大きな壁もある。東京商工会議所が2,090社(回答数:662社、回答率31.7%)を対象にした「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」では、2021年5月の緊急事態宣言下における東京23区内の中小企業のテレワークの実施率は38.4%にとどまり、前回(2021年1~3月)に比べ27.8ポイント減少し、企業規模別では従業員301人以上の実施率は64.5% となっている一方で、従業員50人以下は29.8%にとどまっていると報告している。

 テレワークを実施している社員の割合は20%以下が52.4%ともっとも多く、前回緊急事態宣言時と比べ22.6ポイント増加するなど伸び悩んでおり、その理由として「テレワーク可能な業務がない」64.7%、「生産性の低下」24.0%、「PCや通信環境の整備状況」19.6%などの回答が多かったとしている。

 企業規模別で99%を占める中小企業ではテレワーク、在宅勤務を実施する環境にないことを調査結果は示している。

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