旭化成ホームズ 富裕層向けの新商品「フレックスレジデンス」
外観
旭化成ホームズは5月21日、先に「ABCハウジング 成城住宅公園」(世田谷区成城、東宝スタジオ内)にオープンした富裕層向けの新商品「ヘーベルハウス FREX RESIDENCE (フレックス レジデンス)」のモデルハウスの見学会を行なった。同社の都市型3階建て住宅のトップブランドである「ヘーベルハウス フレックス」シリーズ」(重量鉄骨システムラーメン構造)に「邸宅」スペックを装備したもので、ブランド強化と市場シェアアップを狙う。
これまで同社は富裕層向けの商品は設定していなかったが、年間50棟ぐらいの受注があることから、ブランドを強化する狙いで75坪か ら100坪ぐらいの単世帯を想定した今回の新商品となった。富裕層向け市場のサーベイの狙いもあり、本社内に設計業務を支援する体制を整えた。
新商品は、外壁ヘーベル版の新デザイン「PT目地」や大空間設計を支える22mm厚の鉄骨柱、天井高バリエーションを拡充する床下げ 仕様などを導入。内部空間は白を基調にチークの無垢材、大判のタイル、大理石、ガラスなどを多用して「邸宅」と呼ぶに相応しい佇まいとした。延床面積は約 456㎡(138坪)。販売目標は年間100棟で、販売単価は坪200万円。
ラウンジ | リビング |
◇ ◆ ◇
同社を含めプレハブメーカーはこれまで富裕層向け商品をあまり展開してこなかったと聞いてやや驚いた。マンションではかつてバブル期 には10億円超のスーパー億ションがたくさん供給され、1戸(1棟ではない)43億円の物件も供給された(1戸43億円というのはわが国のマンションの最 高価格記録で、海外のコンドミニアムを含めてもトップクラスだと言われている)。さすがにバブル崩壊後はそのような物件は供給されなくなったが、それでも 坪単価にして500万円超の数億円から10億円ぐらいの物件は結構供給されている。
個人住宅も相当数の豪華な建物が建てられているはずだが、施主としては〝プレハブ〟のイメージを嫌い専門の建築事務所に依頼するほうが多いのだろうか。
しかし、今回、同社のモデルハウスを見学して、十分富裕層向け商品として訴求できると思った。先日見学した東急ホームズの富裕層向けモデルハウス同様、坪単価200万円も驚きはしなかった。価格以上に価値のあるモデルハウスだと思う。
エンスイート | ベランダ(ハンギングチェアは50万円とか) |
スペックそのものは目を見張るような豪華なものは採用されていないが、空間デザインの提案が抜群だ。従来の鉄骨柱は標準で9㎜、厚めのもので12㎜なのを22㎜にしたことで大無柱空間を実現した。鉄骨柱の重量は1本900キロぐらいで、20本採用。サッシは幅2300㎜、高さ2700㎜のものもある。天井高もスキップフロアを多用することで最大5.27m確保している。
ガレージ、リビング、階段などに使用されているタイルは1枚3m四方のものを1m×1.5mぐらいに切って使用しているが、薄くても傷が付きにくく車を載せても割れない強度があるという。アルコールを燃料とする暖炉つきのラウンジは約43.1畳大。天井高は2700㎜。大型サッシを開放すればテラスと一体となった大空間が広がる。チーク材を張った玄関ドアは内開き。
3階のパウダールームはガラス越しにベランダが眺められるようになっており、自然採光も取り込む工夫がされている。