8月30日の東京都の新型コロナ感染者は1,915人となり、8日連続して前の週の同じ曜日の感染者数を下回った。7月12日の緊急事態宣言による不要不急の外出自粛、都道府県間の移動回避、イベント縮小、飲食店などへの時短・休業要請、酒類の提供自粛、出勤者の7割削減要請など様々な措置が講じられているにもかかわらず、感染者は宣言発令時の4倍近くに達している。
宣言解除予定の9月12日まで残り2週間。1日500人台までに減らせるかどうか予断は許さない。
都のデータから、7月12日~8月29日までの年代別・性別感染者の推移を表とグラフにまとめた。従来株の2倍近い感染力があるとされるデルタ株の猛威がワクチン接種効果をかき消していることをうかがわせる。
累計の男女別・年代別感染者は別表の通り。感染者は338,731人となり、都民13,843,525人(3月1日現在)の2.4%、人口10万人当たり感染者は2,447人となっている。
年代別では、もっとも多いのが20歳代の約9.9万人(全体に占める割合29.1%)で、以下、30歳代の約6.7万人(同19.8%)、40歳代の約5.3万人(同15.8%)、50歳代の約4.1万人(同12.0%)の順。ワクチン接種が進んでいることから60代以上の比率は10%台まで減少している一方で、20歳未満の年少者の感染が激増している。
10歳未満 感染激増 比率は全体の7%超に
メディアは最近、若年層の感染増加を報じているが、7月12日の緊急事態宣言あたりから10歳未満の増加傾向は顕著で、7月28日に138人と100人を突破し、比率も4.3%と4%を超えると、その後は増加の一途。8月25日には308人で、感染者に占める割合は7.3%となった。家庭内感染のほか、市中感染も拡大しているとみられる。
10代 感染者は爆発的に増加 比率も10%超に
今回の第5波でもっとも絶対数、全体感染者に占める割合が増加しているのが10歳代だ。7月12日は33人、比率6.6%だったのが8月21日には565人、比率11.1%となり、人数で約17倍、比率で4.5ポイント上昇した。8月29日の比率は過去最高の11.9%に上っている。
都のデータは10歳刻みなので、増加しているのは小学・中学・高校の生徒なのか、それとも18歳以上なのかは不明。
20代 絶対数はピーク時より半減 比率も30%割る
コロナ発生時から絶対数、感染比率とももっとも高い数値を示してきた20歳代は、現在も基本的に変化はないが、比率そのものはやや減少傾向を示している。
感染者は8月13日に過去最多の1,810人(比率31.4%)を記録したが、8月29日時点でピーク時から半減している。比率は8月1日の37.5%をピークに減少に転じ、8月29日には26.5%(感染者817人)にまでに減少している。
30代 比率20前後で推移 男60%:女40%
感染者、比率とも20歳代に次いで高い数値を示している30歳代は、感染者は増加しているが、全体に占める割合はほぼ20%前後で推移している。
また、累計感染者67,165人の男女別内訳は男性40,110人(比率59.7%):女性27,055人(同40.3%)と比率差が大きいのも特徴の一つとなっている。理由は不明。
40代 男性61%:女性39% 〝格差〟くっきり
20歳代、30歳代に次いで感染者が多い40歳代は累計53,484人。感染者は7月12日の91人(比率18.1%)から一貫して増加し、8月13日には955人(同16.5%)までほぼ10倍に達した。男女別では、男性32,863人(比率61.4%):女性2,0621人(同38.6%)と30歳代とともに男女比の差が大きい。
50代 比率は10~12%で推移
50歳代の感染者は40,665人で、男性23,859人(比率58.7%):女性16,806人(同41.3%)。緊急事態宣言後の全体に占める割合は10~12%内に収まっている。絶対数は7月12日の50人(比率10.0%)から8月13日には689人(同11.9%)まで増加。その後は減少傾向にある。
60代 下げ止まりから増加傾向へ
60歳代は8月2日に52人、比率2.4%まで漸減したが、その後は下げ止まりから増勢に転じている。8月19日には182人、比率3.3%となるなど比率は3%前後で推移している。
70歳以上 8月以降は100人超 比率も増加
70歳以上はワクチン接種が進むにつれて激減し、7月26日には18人で、全体の感染者に占める割合は1.3%まで下がったが、8月4日に100人を突破すると、その後は100人超が続いており、8月26日は191人で、全体の感染者に占める割合は4.1%となった。ワクチン接種を受けていない、受けたくない人が感染しているのだろうか。これもデルタ株の影響か。
100歳以上は147人 今年だけで131人
東京都の100歳以上の累計感染者は男性が27人、女性が120人の合計147人となっている。このうち1月以降の感染者は131人で、8月以降だけでも30人に達している。
100歳以上の令和3年1月1日現在6,641人なので、人口10万人当たり感染者は2,214人となる。都の人口10万人当たり累計感染者2,447人と比較して若干低いが、気になる数値だ。何とか感染を防げないものか。