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2021/09/07(火) 15:39

〝丘の上に広さと安さがある〟レベル高い武田薬品社宅をリノベ タカラ「保土ケ谷」

投稿者:  牧田司

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「ル・アール横浜保土ケ谷」

タカラレーベンが先月717日から販売を開始した横浜市の一棟リノベーションマンション「ル・アール横浜保土ケ谷」を見学した。従前は武田薬品工業の社宅として1994年に竣工したもので、全戸84㎡超の住居専有面積と収納の多さ、二重サッシ、ミストサウナなどの設備仕様は最高レベルで、駅と現地の比高差の難点を補って余りある。坪単価を162万円に抑えられたのは、スケルトンリノベーションを行う必要がなかったためだ。

物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン保土ケ谷駅から徒歩11分、京急本線井土ヶ谷駅徒歩11分、横浜市保土ケ谷区岩井町の第一種住居地域、第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積1,470㎡、鉄筋壁式構造4階建て全20戸。専有面積は84.91㎡・85.83㎡の2タイプ。既存建物竣工は19946月。新築時の設計・監理・施工は大林組。2011年改修工事時の設計・監理・施工はコーナン建設。2022年改修工事時設計・監理はネクストイノベーション。改修工事はきんでん。入居予定は20221月下旬。駐車場は敷地内に19台(敷地外に1台)。

717日から販売を開始し、現在10戸が供給済み。

現地は、保土ケ谷駅と井土ヶ谷駅の中間地点のヒルトップに位置し、敷地南側は首都高速神奈川3号狩場線が近接。保育園・小・中学校、病院、公園が徒歩圏。

建物は、武田薬品工業の社宅として建設されたもので、タカラレーベンは2019年に投資会社から取得した。10年前に改修工事が行われている。

採光に配慮された雁行設計、壁式工法が採用されているため、全戸南東向きで、天井高は2400ミリでも柱・梁の出っ張りがなく、収納が多いのが特徴。主な設備仕様は、二重・樹脂サッシ、14×18浴槽、ミストサウナ、ワイドキッチン、ダウンウォールキッチン収納、床暖房など。住宅ローンは新築マンションと同様、35年利用が可能。

販売を担当する同社マンション事業本部営業推進事業部第1営業統括部第1営業部3課 課長補佐・相沢陽介氏は「玄関ドアはプッシュフルに変更しましたが、10年前にも改修工事が行われているためスケルトンリノベする必要がなく、この単価が実現しました。私は当社に7年務めていますが、こんな素晴らしいマンションはほとんど経験がありません。収納がたっぷりあり、サッシは二重、浴室はミストサウナ付き。床はそのまま生かし、特許を取得している3ミリのフローリングを上張りしています」トイレはタンクレスだったので、工事次第でそのまま利用していただくことも可能。坂の利用はお勧めできませんが、坂を上り切ったらこの広さと安さを手に入れることができます」と語っている。

同社のリノベマンションは200510月の「西新井」60戸の第一弾をはじめ、「八王子」40戸、「柏」42戸、「志木」20戸、「多摩川」49戸、「川崎」30戸、「大倉山」34戸、「東林間」など今回が11棟目、トータルで500戸近くとなる。

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リビング

       ◆     ◇

記者は12年前、同社のリノベマンション「ル・アール蘇我プレミアムヒルズ」を見学取材している。JR京葉線・内房線・外房線蘇我駅から徒歩13分のJFEグループの社宅をリニューアルした熊谷組・大林組共同企業体施工の2棟全152戸で、うち1棟(81戸)の専有面積は90㎡、全体平均で87㎡、分譲単価は7075万円だったので、圧倒的な人気を呼び瞬く間に完売した。面積もさることながら設備仕様レベルの高さに驚いた。

今回もまた、大企業の社宅として利用されていたものだ。前段で書いたが、まさにバブル仕様だ。浴室・洗面室は段差があるのはやむを得ないが(フラット浴室が一般化したのは平成8年以降)、玄関幅は約1.2mもあり、壁式工法なので柱・梁の出っ張りもない。極めて居住性の高いマンションだ。

よくぞこんなレベルの高い物件を仕入れられたものだ。

       ◆     ◇

東京都には、「島津山」「池田山」「花房山」「御殿山」「八ツ山」の「城南五山」をはじめ、「赤坂」「乃木坂」「団子坂」「宮益坂」「青葉台」「世田谷」「渋谷」「四谷」「千駄ヶ谷」「日比谷」「鶯谷」など地形をそのまま住所にしているエリアが多く、お金持ちは高いところに住むのを好むのか、高級住宅街となっているところも少なくない。(「山谷」はなくなったが)

しかし、横浜は東京の比ではない。丘陵地、湿地、湧水、水路などから構成する「谷戸」(ヤト)が1,000か所近くあるといわれているように、急峻な山・坂にへばりつくように住宅が建ち並ぶ住宅地がたくさんある。

今回の同社の「保土ケ谷」もその一つで、近くには「井土ヶ谷」「上大岡」「西谷」「鶴ヶ峰」「二俣川」「戸塚」などが連なったり入り組んだりしている。

記者はこれらのエリアのマンションや戸建てをたくさん見学してきたので予想はしていたが、保土ケ谷駅から現地までの急坂にはさすがに驚いた。行きは、約束の取材時間に遅れそうになったのでタクシーに乗った。運転手の方は地図を矯めつ眇めつしたあげく道に迷い、徒歩時間と同じくらい掛かってようやくたどり着いた。

なので、坂の存在は知らなかったのだが、販売担当の相沢氏は「ご来場の際は公共交通機関の利用を推奨しております」と言ったので、実際はどうなのか確認するために帰りは駅まで歩くことにした。現地周辺は良好な住環境を形成していたが、23分歩くと、マンションにして10層くらいはありそうな階段があった。つまり、最短ルートでは車や自転車では現地にたどり着けないことがわかった。階段を下りてからまた前のめり速足になりそうな坂が続いた。実際に記者が歩いてみたところ、とても大変ではあった。

この急坂を気にされる方は検討の余地はない。しかし、相沢氏の「坂を上りきったところに広さと安さがある」の言葉はけだし名言だ。普段から車利用でしか移動しない人や居住性を重視する人にとってはたまらない物件ではないか。

 

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現地

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