「レーベン横浜山手 ONE WARD COURT」
タカラレーベンが11月から分譲する予定の「レーベン横浜山手 ONE WARD COURT」を見学した。山手駅から徒歩13分の傾斜地に立地する全228戸の大規模マンションで、同社の創業50周年記念にふさわしいデザインにこだわった物件だ。いったいいくらになるか、興味津々。
物件は、JR京浜東北線・根岸線山手駅から徒歩13分(JR根岸駅から徒歩19分・バス5分)、横浜市中区根岸加曽台の準住居地域、第一種住居地域、第一種低層住居専用地域に位置する開発区域面積13,504.14㎡(※分筆予定地・帰属道路・提供公園・譲受予定敷地面積を含む)の7階建て全228戸。専有面積は55.59~101.51㎡、価格は未定。竣工予定は2023年2月中旬。設計・監理は小野田建築設計事務所。施工は飛島建設。
現地は、山手駅から坂を上って下った、横浜市民にはよく知られている58系統、横浜市営バス間門バス停から徒歩1分の傾斜地立地。敷地は日石エネオスの社宅跡地。前面道路の本牧通りと擁壁の上に建つ建物の1階レベルは比高差にして2層くらいあり、敷地の最高レベルまでは約24mの傾斜地。
敷地は、市の土砂災害ハザードマップではレッドゾーンの警戒レベル3とイエローゾーンの警戒レベル2のエリアに指定されているが、指定解除のための造成工事が施工済み。建物は雁行設計の南向き3棟とそれぞれの棟とつながる東向けの3棟からなるEの字型6棟構成。デザイン監修にはウィ・アンド・エフヴィジョンを起用。鋭角的な縦と横の白い庇・マリオンが印象的な外観としている。
間取りプランは46タイプ用意。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ディスポーザー、たからの水に加え、同社初の非接触式エレベーターを完備。共用施設はフィットネスルーム、パーティルーム、キッズルーム、ワークラウンジ、ゲストルームなど。
同社マンション事業本部営業推進事業部第2統括部 副統括部長・金光泰成氏は、「デベロッパーなら喉から手が出るほどの立地と規模。用地取得は昨年2月。取得後約1年かけて地盤・擁壁工事など行い、市のハザードマップのレッド・イエローソーンを解除できる予定になっています。反響は広域にわたっており、50周年記念物件としてスタートダッシュを掛けたい」と話している。
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記者は10年前、現地の道路を挟んだ隣接地で分譲された名鉄不動産「横濱山手テラス壱番館・弐番館」(234戸)を取材している。好調な売れ行きを見せた。当時の記事を見たら坪単価は170万円とあった。
また、数年前、どこの物件だったか思い出せないのだが、その取材の帰り、更地になっていたこの現場を見ている。マンションになったら素晴らしいものができると思ったものだ。
そして今回。同社の創業50周年記念物件というだけあって、商品化にはかなり力が入っているようだ。
問題は価格・坪単価だ。今はすさまじい勢いで価格が上昇しており、ほとんどのエリアで高値を更新している。
ここも高値を更新する可能性が高いと見た。何より魅力的なのは、「根岸風致地区」に隣接するという住環境だ。根岸地先の眺望も担保されており、根岸森林公園(徒歩15分)、本牧山頂公園(徒歩7分)、三渓園(徒歩14分)も徒歩圏だ。
さらにまた、約43haの米軍施設跡地の「根岸住宅地区」の街づくりもこれから本格化し、エリア全体の将来性も期待される。
同社はまだ価格を公表していないが、いったいいくらになるか。
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記者はマンションの現地取材をする際、価格・坪単価予想をする。自らの見る目を養い、デベロッパーや住宅購入希望者の意識・志向とのずれがあるのかないのかを確認するためだ。
価格について触れないのは、例えていえば冷めた紅茶、気が抜けたビール、伸びたラーメン、サビ抜きの寿司、西武と日ハムの消化試合、辛口評論家の甘党、酒屋の下戸、…目と舌の肥えた読者の方の興味を引くことはできず、締まりもないし塩梅がよろしくない。
前置きが長くなった。ズバリ予想。記者と一緒に見学した同業の横浜が地元の記者の方は「坪単価は、造成工事費にもコストがかかっており坪290万円くらいで、坪300万円超もありうる」と話した。
「現地から見える首都高速湾岸線の外側に広がる根岸地先の工場街の夜景はとてもきれいだ」といった。また、「58系統バスは本牧-桜木町-横浜まで通じており、横浜まで約30分で出られるのも魅力だ」と話した。
なるほど。山手駅や根岸駅を利用せず、バスを利用すれば横浜まで約30分というのは説得力がある。夜景がきれいというのは信じられない。かつて磯子プリンスに泊まったとき、工場街は墨を流したように暗い空と一体となり、かといって真っ暗闇にもなれず星などは見られなかったのを経験しているからだ。根岸と磯子の工場街は違うのか。嫌悪施設も遠くから眺めると愛でる景観になるのか。
そのプリンスの跡地に建った坪230万円くらいだった東京建物他「Brillia City 横浜磯子」は素晴らしく、「早期完売か」と予想したが、完売まではかなり時間がかかった。これまで予想を外した物件の最右翼だ。
そんなこんなで記者は、85㎡のモデルルームはとてもよくできていたのだが、山手・根岸両駅への距離も鑑みると坪280万円くらいではないかと予想する。あるデベロッパーの社長にも聞いたら即座に「坪280万円」と返ってきた。読者の皆さんはいくらと予想されるか。
景観風致地区の一角 大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン山手」(2018/5/8)
好調スタート 名鉄不動産「横濱山手テラス」(2011/2/3)
圧倒的な人気呼ぶか東京建物他「Brillia City 横浜磯子」(2012/2/2)