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2021/11/03(水) 15:15

平均74㎡、競合物件意識した商品企画 マリモ・小田急不の駅前再開発「厚木」

投稿者:  牧田司

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「ファーストリンクレジデンス」

 マリモと小田急不動産の市街地再開発マンション「ファーストリンクレジデンス」を見学した。小田急線厚木駅圏では15年ぶりのマンション供給で、競合するとみられる隣駅・海老名の物件を意識した価格の安さ(広さ)と仕様レベルが特徴だ。分譲開始は12月上旬。

 物件は、小田急小田原線・JR相模線厚木駅から徒歩1分、海老名市河原口一丁目の厚木駅南地区第一種市街地再開発事業地内の近隣商業地域(建ぺい率70%、容積率300%)に位置する敷地面積約6,191㎡、14階建で全201戸(販売戸数193戸)。専有面積は58.53~87.47㎡、価格は未定だが、坪単価は200万円を切る可能性が高いと見た。設計・監理は長谷工コーポレーション。施工は長谷工・馬淵建設共同企業体。完成予定は2023年4月末日。

 現地は、一戸建てや低層店舗などが混在していたエリアで、平成26年10月に準備組合が発足、令和元年6月、「厚木駅南地区市街地再開発組合」が認可された。両社は事業協力者として事業に参画している。 事業地内にはマンションのほか、商業棟、広場、ワーク・スペースラウンジなどが整備され、自走式駐車場は163台(うちマンション居住者用は144台)。

 マンションは2棟構成で、南向きと東南向き。住戸プランは平均74㎡で、主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2500~2600ミリ、直床、ディスポーザー、食洗機、ハンズフリー玄関キーなど。共用施設にゲストルーム、ラウンジなど。

 販売を担当するマリモの販売事務所長・目崎真美氏は、「反響は約500件で順調に集客できています。仕事、家事、趣味、読書など目的によって間取りが変えられる当社独自の選べる『コモラボ』のほか、食洗機、ハンズフリー玄関ドアキーなどを装備しており、自走式駐車場もセールスポイントになるはずで、競合物件には負けません」と自信をみせている。

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ゲストルーム

◇       ◆     ◇

 記者は今年1月、「ポレスター昭和記念公園」168戸を見学しており、その商品企画レベルの高さに驚いた。分譲開始は昨年9月で、今年8月までに完売したというのも頷ける。

 今回は、それを上回るのではないかと期待していたのだが、はっきり言えば、やや物足りなさを感じた。87㎡の角住戸のモデルルームは、6800ミリのワイドスパンで、1.5畳大ワークスペースの提案がよく、いかにもマリモらしいプランだ。

 ところが、浴室ドアにはタオル掛けがなく、トイレはタンク付きで、洗濯機置き場には棚もついていなかった。どうしてか、目崎氏に聞いたら「設備仕様レベルはうちのほうが上」という答えが返ってきた。

 なるほど。最近のマンション市場は、価格のみがウナギ上りで、中身はサンマのように細る一方だ。商品企画はどんどん退行している。競合物件に合わせる戦略もありか。200戸規模でゲストルームがついている物件は少ないはずだ。

 競合物件の専有面積は平均70㎡で、食洗機はオプション、キッチン収納もソフトクローズ機能はついていないようだから、同社は1坪(3.3㎡)以上広くし、設備仕様レベルを競合物件に負けないようにし、しかもグロスは競合物件と同じくらいに設定して勝負する戦略だと読んだ。したがって、坪単価は競合物件の坪220万円より低い坪200万円を切る可能性もあると読んだ。

 追記。マリモがこれまで埼玉県鴻巣市、神奈川県秦野市など全国で20か所の再開発事業実績と、今回の物件を含めて5つの再開発事業に関わっていることを知らなかった。首都圏では千葉市の案件も近く始動するという。千葉市の物件に期待しよう。

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建設現場

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現場近くの相模川

平均75㎡ レベル高いマリモ「昭和記念公園」4カ月で半分以上の90戸超成約済み(2021/1/13)

 


 

 

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