三菱地所レジデンス 顧客の声を商品企画に生かす
「EYE'S PLUS (アイズ プラス)」始動
左からMR ・カスタムアイズ室の加藤智里、櫻井紅美、渡辺尚子、久保倉大、鈴木健治の各氏
食洗機はシンク下がいいか横がいいか 三井 VS 三菱の戦い見もの
三菱地所レジデンスは6月6日、分譲マンションの商品開発にお客さんの声を生かし、マンションのリーディングカンパニーとしてのプロ の視点を加えた取り組みを強化するため「EYE'S PLUS (アイズ プラス)」を始動し、各種分析・検証を行なう拠点となる「EYE'S PLUS LAB(アイズプラス ラボ)」を開設したと発表した。同日、記者内覧会を行い、第一号商品「EYE'S PLUS KITCHEN 」を公開した。
「EYE'S PLUS(アイズ プラス)」は、顧客と直接コミュニケーションを図って商品開発を行い、開発のプロセスを公開するのが特徴。開発の意図や顧客の声を開示していく。開発拠点 の「EYE'S PLUS LAB(アイズプラス ラボ)」では、キッチン、カラースキーム、洗面室、浴室、扉、収納などの試作品や完成品を設置するほか、顧客の声を聞く座談会なども行なっていく。
「EYE'S PLUS KITCHEN」は、昨年7月から開発に取りかかり、約5,000件のアンケートやグループインタビュー、WEBサイト「スマイラボ」を通じたコミュニ ケーション、ママ社員などの声をもとに開発したもの。幅2400ミリ、奥行き650ミリの限られたキッチンを有効に活用するため、シンク幅を800ミリか ら650ミリに縮めることで作業スペースをその分広くし、ホーローパネルを採用。また、立ち上がりを23センチ確保することで、開放感と収納の両方を満足 させたのが特徴。
浴室のシャワースライドバーには身長がことなる家族が利用しやすいようにシャワー掛け具を 2 カ所に設置したものを提案している。さらに、同社はディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、開閉両側ソフトクローズ機能付き引き戸などを基本的に標準装備 していくことを明らかにした。
内覧会に臨んだ同社商品企画部 MR ・カスタムアイズ室室長の鈴木健治氏は、「業界ナンバー一であり続けるためにもより一層お客さまとの接点を多くし、ものづくりにまい進して、市場にフィードバックしていく」と話した。
「EYE'S PLUS KITCHEN」
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同じような取り組みでは、先日、東京建物が「Bloomoi(ブルーモア)」の発表会を行なった。女性の視点もお客さんの視点も非常に大事なことだ。今回の三菱地所レジデンスの第一号商品「EYE'S PLUS KITCHEN 」は、主夫生活10年の記者も納得の商品だ。キッチンは広いほうがいいのに決まっているが、限られたスペースをいかに無駄なく効率よくできるかがポイントだ。シンクを小さくすることで作業スペースをより広くするのは大賛成。幅が92センチあればずっと調理は楽になるはずだ。立ち上がりを高くしたのも理解できる。リビング側から汚れたなべや食器類などは隠したいものだ。
細かいことを言えば、天板は水返しをもう少し高くしたほうがいいし、バックガード付はいいのだが、できればサイドも欲しい(阪急不動産は標準化している)。
インタビュー研究スペースとカラースキム展示
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面白い話も聞いた。同社の食洗機はシンクの横に設置されていた。記者は意地悪な質問だと思ったが、「三井不動産レジデンシャルさんは食洗機をシンク下に設けることを打ち出したが…」と聞いた。
返ってきた答えはこうだ。「どちらがいいかということをお客さまにも聞きました。シンク下にあるのは、腰をかがめないといけないという声もありました」
なるほど。記者は食洗機が販売開始されたころ卓上型を購入した。出し入れ口はシンクに向かって取り付けられず正面に向くようにセットせざるを得なかった。そのため、食器類を入れるとき床に汚れた水などが散らばるのに難儀もした。だから、三井がシンク下にしたのに「さすが三井」と思った。しかし、確かにかがまないと出し入れできない難点もある。家族数や食器の数にもよるが一度の出し入れに20回はしゃがまないといけない。
どちらがいいかは分からない。三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスの食洗機の設置位置を巡って激しい〝戦い〟が展開されるのもみたいものだ。三井はこういうかもしれない。「シンク下はあまり利用しないスペース。そのスペースに食洗機を設置したほうが有効利用できる」と。
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