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2021/12/11(土) 12:34

駅前の免震タワーは坪320万円 京王・聖蹟桜ヶ丘を抜き去る 三菱地所レジ他「川越」

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス川越タワー」

 三菱地所レジデンス(事業比率50%)と大栄不動産(同)は12月10日、東武東上線・JR川越駅から徒歩1分の川越市最高峰の免震タワーマンション「ザ・パークハウス川越タワー」のモデルルームを2022年1月8日にオープン、2月中旬から販売開始する発表。同日、メディア向けモデルルーム内覧会を行った。

 物件は、東武東上線・JR川越線川越駅から徒歩1分、川越市脇田本町の商業地域(建ぺい率90%、容積率600%)に位置する25階建て全173戸(募集対象外4戸含む)。専有面積は44.36~117.16㎡、価格は未定だが、坪単価は320万円になる模様。竣工予定は2023年10月下旬。施工はフジタ・川木建設共同企業体。販売開始は2022年2月中旬の予定。

 現地は、川越駅圏でごくわずかしかない容積率600%の商業地域の一角。敷地は埼玉りそな銀行と三菱UFJの店舗跡地。両者がそれぞれ用地を取得して共同で分譲することになったもの。敷地は四方道路に接道。

 建物は2階建て商業棟と25階建て住宅棟で構成。「川越駅西口グランドデザイン」に基づき地域との共生を目指し、地元の農業協同組合や企業との連携による地産地消、間伐材を使用した家具・小物の活用を行うほか、川越に本社を置く「ヤオコー」のネットスーパー、ペットボトルの回収、電気自動車の充電ポート導入などサステナブルな取り組みも行う。また、防災の取り組みとして、各住戸に防災倉庫を設置し、防災イベントを行っていく予定。

 住戸プランは70㎡台の3LDKを中心に40㎡台の2LDK、最上階は100㎡台のプレミアム住戸を用意。主な基本性能・設備仕様は、川越市初の免震、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(プレミアム住戸は2700ミリ)、食洗機、ディスポーザー、ミストサウナ、クオーツストーンキッチン天板など。クローゼットには一時掛けハンガーを設置している。共用施設はオーナーナラウンジ、スカイデッキ、クラブラウンジなど。

 9月に物件ホームページを開設してからこれまで1,200件の反響がある。内訳は地元が4割、周辺エリアが1割、県内が2割、東京が3割。富裕層からの問い合わせも多いという。価格は2LDKが6,000万円台、70㎡台の3LDKが7,000万円台中心、最上階は1億1,000万円台の予定。

 内覧会に臨んだ三菱地所レジデンス第一計画部長・浦崎康弘氏は、「駅1分の利便性と25階建てという市内最高層と免震、開放感、眺望は市のランドマークとなるはずで、地域との共生をテーマに持続可能な街づくりに貢献したい」と語った。

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オーナーズラウンジ

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間伐材を用いたモデルルームの畳数表示板

◇        ◆     ◇

 記者の個人的な最大の関心事は坪単価が300万円を超えるかどうかだった。川越駅は池袋駅からちょうど30分。わが京王線の新宿駅から30分といえば聖蹟桜ヶ丘駅で、いま東京建物などが分譲中の「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE」(520戸)がある。免震タワーというのは一緒で、記者は「聖蹟桜ヶ丘」を見学はしていないが、基本性能・設備仕様レベルは同等で、街のポテンシャルもそれほど変わらないはずだ。唯一、京王線が負けるとすれば都心(東京駅など)へのアクセスだろう。

 坪単価はどうか。記者は東京建物が計画を発表した段階で坪単価は300万円の大台に乗るのを期待していた。免震でZEH、多摩川がすぐそばならアッパーミドルの需要を総取りできると思った。ところがどうだ、坪単価が270万円と聞いて正直がっくりした。

 川越はどうか。三井不動産レジデンシャルが数年前に分譲したマンションの坪単価は285万円だった。かなり高いと感じた。今回、それを上回るのは確実だと思っていた。三菱地所レジデンスは「価格は未定」としているが、予定価格からして坪単価は320万円になるはずだ。「聖蹟桜ヶ丘」との差は坪50万円。20坪にして1,000万円だ。

 これは聖蹟桜ヶ丘と川越だけの話ではない。いかに他の沿線と比べ京王線のマンションが著しく割り負けしているか。東急線では代官山は坪900万円を突破し、自由が丘も600万円超、綱島だって400万円だ。小田急線の代々木上原は650万円、成城学園は500万円をはるかに超える。新百合ヶ丘も400万円以下はありえない。東上線だって住友不動産・大山は400万円に乗るかもしれない。伊勢崎線(千代田線か)の北千住は380万円だ。京王線のアッパーは調布の370万円だ(三井不動産レジデンシャルの初台の物件は500万円弱だか)。

 マンション相場のみの評価ではあるが、京王は東急や小田急にその差を広げられ、ついに東武東上線に逆転された。勝てるのは西武と京急、相鉄、京成くらいか。その京急も相鉄も虎視眈々、都心部への進出を考えている。

 京王も沿線自治体もブランディングを再検討したほうがいい。神奈川、埼玉、千葉から移り住みたくなるような街づくりをするべきだ。京王はサンウッドと資本提携したが、市場を劇的に変えるには力不足だ。

 横道にそれすぎた。「川越」に戻す。モデルルームの仕様レベルは間違いなく水準以上だ。地価水準の高い東京23区内ではまず不可能なレベルだと思う。都内からの反響が3割というのも納得だ。

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ザ・ホール

 

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