日本財団と大阪大学は12月16日、「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」の一環として建築する研究棟のデザイン監修を建築家の安藤忠雄氏が担当すると発表。外観は「宇宙船地球号」をイメージした楕円形で、世界中の優秀な研究者が集まり、力を合わせて課題解決に取り組んでほしいという想いが込められている。
発表会で大阪大学総長・西尾章治郎氏は、「研究棟のコンセプトデザインを日本が世界に誇る建築家・安藤忠雄先生に作成していただいたことは大変光栄。2025年2月に竣工するこの研究棟は、大阪大学だけでなく日本の新たなランドマークとなる施設で、平時も有事の際も異分野の研究者がアンダーワンルーフで研究を進める『集学の場』として、世界から多彩な人材が集まる開かれたプラットフォームの基盤となるもの」と語った。
日本財団会長・笹川陽平氏は「当財団は40年以上ハンセン病という感染症を世界からなくす活動を行っており、感染症とは大変ご縁があります。安藤先生のデザインは宇宙船地球号。人類が共に共存する地球をイメージされたとお伺いした。胸がワクワクする想い」と述べた。
安藤忠雄氏は、「研究棟の形状には楕円形を採用しました。感染症の問題は、世界を巻き込む人類としての問題であると同時に、地域格差や差別など一人ひとりの心の問題でもあります。それらを多角的に解決する『宇宙船地球号』としての役割を意識して、デザインに反映しました」と話した。
日本財団と大阪大学は2021年9月14日、長期的な視点で感染症の課題解決を目指す「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」を立ち上げ、同財団が同大学に対して今後10年間、約230億円規模の助成を行うと発表していた。