埼玉県で2件目の免震&長期優良住宅認定
三井不レジ・大栄不「パークホームズ LaLa 新三郷」
「パークホームズ LaLa 新三郷」完成予想図
三井不動産レジデンシャル(事業比率80%)と大栄不動産(同20%)は6月11日、埼玉県三郷市新三郷ららシティ内で開発中のマン ション「パークホームズ LaLa 新三郷」のモデルルーム見学会を行い、販売を7月中旬に開始すると発表した。三井住友建設の新構法「架構集約型免震構造」を採用し「長期優良住宅認定」を 取得した。埼玉県で免震構造を採用し長期優良を取得したのは野村不動産「プラウド大宮」に次ぎ2件目。
物件は、JR武蔵野線新三郷駅から徒歩3分、三郷市新三郷ららシティ2丁目に位置する19階建て全250戸。専有面積は 69.58~83.93㎡、予定価格は2,800万円台~4,200万円台(最多価格帯3,200万円台)、坪単価150万円。竣工予定は平成26年9月 中旬。設計・施工は三井住友建設。
資料請求は、昨年11月の受付を開始から約 2,000件、来場者数は3月30日に事前案内会を開始してから約800件にのぼっている。
特徴は、①「職、住、遊」の機能を持つ街「新三郷ららシティ」の中央に立地②「ららぽーと」「イケア」「コストコ」が揃う充実した ショッピング環境③免震構造の採用と「長期優良住宅認定」の取得④電力一括受電や太陽光発電による電気料金削減、電力消費量の見える化や電力のピークカッ ト-など。
モデルルームは、「イケア」と「三井デザインテック」がそれぞれプランニングした2タイプが設置されている。
◇ ◆ ◇
マンション建設地は、開発当初は商業施設用地とされていたところで、震災後にマンションに変更したようだ。坪単価はほぼ予想したとおりだ。施工が長谷工コーポレーションであれば、越谷レイクタウンや吉川美南駅前のマンションのように140万円ぐらいに収まるのだろうが、三井不動産レジデンシャルは差別化のため同じようなものをつくらないと思っていた。
しかし、まさか免震で長期優良にするとは考えていなかった。三井住友の新構法は柱や梁型が出にくいもので居室内がすっきりしていていい。競合物件より単価は高いが十分競争できると読んだ。
この坪単価150万円というのは、おそらくここ10年間では三井不動産レジデンシャルの首都圏所有権マンションで最低単価だと思う。定期借地権付きでは4年前の「橋本レジデンス」が坪130万円だった。
設備仕様もこの単価では水準以上だと思う。「イケヤ」モデルではオプションだが物干しポールがリビングに取り付けられていたにの嬉しくなった。押入れにアイロン掛けができる作業スペースが設けられていたのには驚いた。
◇ ◆ ◇
このほかにも注目すべきことがある。長期優良住宅と「CASBEE」の評価の違いだ。これは改めて書くが、このマンションは免震で長期優良住宅でありながら、環境性能を評価する「CASBEE埼玉」では満点の星5つ(素晴らしい)に1つ欠ける4つ(大変良い)しか獲得できていない。
同じように168戸が即日完売した野村不動産「プラウド大宮」も免震で長期優良住宅でありながら、「CASBEEさいたま」では「良い」の評価の星3つしか獲得できていない。
それぞれ評価のモノサシが違うといってしまえばそれまでだが、免震で長期住宅のマンションがCASBEE評価だと「素晴らしい」S評価が得られないのか、さっぱり分からない。「CASBEE埼玉」「CASBEEさいたま」と表記が異なるのは、前者は埼玉県の評価基準によるもので、後者はさいたま市の基準によるものだからだ。
◇ ◆ ◇
もう一つ、これはいいという販売活動について。キッチンの食品庫を除くカップボードはオプションになっているのだが、モデルルームに4回来場しスタンプを押してもらうとカップボードがプレゼントされるというのだ。カップボードだって数十万円する。みんな4回足を運ぶのではないかと思った。これまでの約800組の来場者のうち100組ぐらいは4回訪れているようだ。
〝損して得取れ〟-記者はこのポイント制に三井家発祥の三井高利の商才を見た思いがした。数十万円のカップボードをプレゼントはするが、来場者は「ららぽーと」「イケヤ」「トストコ」できっとお金を落とすという読みだろう。
◇ ◆ ◇
もう一つついでに。同社の関係者の挨拶・物件説明のあとの質疑応答で、ある記者が「初めて新三郷駅に降りたが、ららぽーとの店の食事は高い」と話した。これにはびっくりした。何を基準に高いか安いかを判断するのは難しいが、記者などはららぽーとがない頃にマンションの取材で何度も訪ねている。喫茶店も食堂も駅周辺になくて難儀したことがある。食べたくとも食べるところがないのもつらいものだ。
記者は忙しくて食事を取っていなかったので、見学後ららぽーとのフードコートでカレーライスを食べた。600円だった。量が多くごはんを少し残した。
280円の牛丼がある時代だから600円は高いのか。記者は一度280円の牛丼を食べたが、「並み!」と大声で叫ばれたときは人格まで貶められたような気分になった。この種の店はブロイラーにされたようで落ち着ついて食べられなくなる。