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2022/01/16(日) 09:56

ZEH、ランドプラン、共用施設…単価では計れない価値あり 三菱地所レジ「新浦安」

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」

 三菱地所レジデンスは1月12日、2030年までにCO2排出量を50%削減すると発表したが、その先陣を切る同社初の「ZEH-M(ゼッチマンション)Ready」の認定を受けた「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」第Ⅰ工区(234戸)のメディア向け竣工見学会を行った。バス便で第一種低層住居専用地域の厳しい建築規制を受けながら、そのハンディを巧みに利用した商品企画が評価され、人気を呼んでいる。

 物件は、JR新浦安駅からバス13分、バス停下車徒歩2分。浦安市高洲6丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)・第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約47,199㎡で、建物は「テラスプラザ」(101戸)と「ベイプラザ」(133戸)からなる第Ⅰ工区(234戸)と「サニープラザ」(168戸)と「カームプラザ」(126戸)からなる第Ⅱ工区(294戸)の4階建て15棟構成の全528戸。このほか木造1階建ての「ヴィラハウス」、鉄骨造2階建ての「アネックスハウス」(パーティールーム・ゲストルーム・ジム施設棟)。第Ⅰ工区は2021年10月に竣工済みで、第Ⅱ工区の竣工予定は2022年8月上旬。売主は同社(事業比率90%)のほか近鉄不動産(同10%)。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 同社としては初の「ZEH-M Ready」認定を受けているのが特徴。建物は開口部のほか戸境壁と天井の断熱性能を向上させるため5面断熱構造とし、太陽光発電による太陽光エネルギーを湯に変えて蓄熱(蓄エネ)するシステムを構築。蓄電池なしで日中の太陽光発電電力を100%使い切ることで、一次エネルギー消費量の削減率50%を実現した。

 同社は、断熱性能を向上させるため200万円/戸のコストを掛けたというが、50万円/戸の補助金が出るため、エアコン2台を標準装備することで入居者にも一部を還元した。

 販売開始は2020年11月で、第Ⅰ工区の価格は5,148万~9,998万円、専有面積は86.09~126.67㎡。坪単価は225万円。これまで第1工区の全戸と第二工区の約130戸が成約済み。総問い合わせは約7,000件、総来場件数は約2,700件。

 顧客の属性は、居住地は地元浦安市が4割強、東京都は4割弱、その約半分が湾岸エリア、年齢層は30代~40代で6割、職業は会社員が7割弱、会社役員が1割強。

 購入者からは、平均約96㎡の住戸の広さ、海・川・公園が隣接している自然環境の良さ、低層4階建てのランドスケープ、「ZEH-M Ready」の環境配慮などが評価されたという。

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手前は境川

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ヴィラハウスデッキ

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ウィズラウンジ

◇       ◆     ◇

 現地の周辺には、UR都市機構のほか「パークシティ新浦安」「プラウド新浦安」「クオン新浦安」など民間の優れたマンションもあるが、今回のマンションはこれらと肩を並べるか、あるいはそれ以上の価値があるとみた。坪単価は信じられないくらい安いが、平均96㎡なのでグロス価格が張るにもかかわらず分譲開始から1年強で残り約160戸という数字にも、購入者から高い評価を受けていることが分かる。

 何が素晴らしいかといえば、ランドスケープデザインだ。空地率は敷地面積約47,199㎡の半分以上の54%で、数千本の中高木を植栽し、リゾートマンションのような雰囲気を演出している。1低層の大規模マンションといえば、同社の「ザ・パークハウス 上鷺宮」をはじめいくつか思い浮かぶのだが、これほどの規模は首都圏に他にないのではないか。

 用途地域について少し補足する。同社は2017年、千葉県企業局から用地を取得しているのだが、敷地の大部分は建ぺい率50%、容積率100%の第一種低層住居専用地域(1低層)だ。

 周辺エリアはどうかというと、ほとんどは建ぺい率60%、容積率200%の住居系だ。同地も従前は建ぺい率60%、容積率200%の第一種住居専用地域だったが、市は平成20年2月、地区計画の見直しを行い1低層に変更した。

 4階建てになっているのは、「建築物の高さの限度が10メートルと定められた第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域内においては、その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であって、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものの高さの限度は、同項の規定にかかわらず、12メートルとする」という建築基準法第55条第2項の適用を受けているからだ。リビング天井高が2450ミリというのもそのためだ。

 記者はこの建基法の高さ規制を緩和すべきだとずっと以前から主張してきた。10m、12m、15m、20m…とほとんど3mと5mの倍数の現行規制は合理的ではない。階高を3.2~3.3mとしてその倍率まで緩和し、容積の割り増しを行えば良好なマンションが建てられる。

 人気の要因の一つになっている共用施設も目を見張るものがある。見学会ではブックカフェ、ウィズラウンジ、キッズルーム、サイクルスペース、パーティルーム、フィットネス、ゲストルーム、レンタルコーナーなどが紹介されたが、24時間利用可能の施設も多く、使用料は無料か低料金に設定されているのにびっくりした。単価では計れない価値があるマンションだ。

 設備仕様レベルについて。用地取得費が安かったためもあるのだろうが、坪単価225万円でこれほど質の高いものができるのに嬉しくなった。リビング天井高2450ミリが低い(今は普通か)のは規制があるためで、床暖房が付いていないのには驚いたが、断熱性能を高めたことでどれほどの光熱費を削減できるか、その効果を知りたいものだ。

 他では、ディスポーザー、食洗機、1620バス(一部除く)、ワークカウンター、メーターモジュール廊下(一部)など。浴室にはタオル掛けが2つ、シャワースライドバーのフックも2つついている。モデルルームの浴室には脱衣スペースもあった。

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レンタルコ―ナー

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浴室脱衣スペース

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