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2022/02/24(木) 15:40

「日系ゼネコンはコストが高い」一木・海外事業本部長 大和ハウス「業界勉強会」

投稿者:  牧田司

 大和ハウス工業は2月24日、報道関係者向けの「第16回業界動向勉強会」をオンラインで開催。米国やオーストラリア、中国などの分譲・賃貸住宅事業が好調に推移していることから、今回は海外事業について同社取締役常務執行役員海外事業本部長・一木伸也氏が約30分説明し、メディアの質問にも約30分の時間をかけて丁寧に対応した。

 一木氏は、海外に本格的に進出した2010年以降について説明。開発物件の売却やM&A済みの各社の事業が好調に推移していることから、2022年3月期の売上高は4,000億円(前年度は3,000億円)に達する見込みだと報告した。

 海外進出のミッションについては、「共創」を重視し、①地域密着②顧客目線③グループ総合力の3点が伸長を支えており、マンション管理などオペレーションもできるのが同社の強みであると強調した。

 重点エリアの一つである中国については、この10年間で7,400戸超の販売実績があり、開発案件3件のうち2件は販売が完了し、新たなマンション開発事業(蘇州)の社内決済を取得し、事業化を進めていると語った。

 米国の事業については、「スマイルゾーン」での賃貸事業が中心で、住宅価格の上昇(2021年は前年比18%超)、ミレニアル世代の旺盛な戸建て住宅取得意欲の高まりを背景に、2021年度の供給実績は5,400戸になる見込みであることを明らかにした。

 豪州では、小田急電鉄との共同事業で、シドニー郊外の「ボックス・ヒル・プロジェクト」(1,551区画)の開発を推進中で、2018年にグループ入りしたRawson Groupの2021年度の引き渡し戸数は1,127戸(売上高216億円)の見込みであると話した。

◇        ◆     ◇

 わが国のハウスメーカー、デベロッパー、商社、電鉄会社などがこぞって海外に進出しており〝全員参加型〟のマーケットを形成しているようだ。

 記者は不動産業の海外事業については全く知らないし、〝知らないことは聞くな〟をモットーとしているのだが、質問しないと主催者に失礼だとも考えているので、次のような質問をした。

 一つ目は、「私は海外は中国、モンゴルしか知りませんが、建築物の施工現場を目視した限りでは、わが国のハスウメーカー・デベロッパーの住宅開発・施工技術・オペレーションは図抜けている印象を受けますが、いかがでしょうか。一木さんは先ほど『トップクラス』と仰いましたが、トップではないのでしょうか。なにが足りないのでしょうか」と。

 これについて、一木氏は「トップクラスと言いたいが、日系ゼネコンは質は高いのだがコストがやや高い」と答えた。なるほど。質と価格は難しい問題だ。

 もう一つの質問は、「カントリーリスクをどう考えていらっしゃるか」と。

 この問題について、一木氏は「中国については、災害リスクもそうだが、突然の制度変更や外資ハラスメントも過去にはあった。これについては常にチェックし、モニタリングしている」と話した。(「戦争は経済の延長」と言われるが、どうしてみんな好戦的な動きをしているのか。第2次世界大戦が勃発してまだ80余年しか経っていない)

 

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