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2022/02/27(日) 17:27

年少者が激増 20代は減少 女性の比率も高まる 第5波と異なる第6波の感染状況

投稿者:  牧田司

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 東京都の新型コロナ感染者は、このところ漸減傾向にはあるが、絶対数そのものは第5波と比べ桁違いで、年少者や30~40代の感染者比率が高まっていることからその影響が心配される。都のモニタリング会議の専門家のコメントや都のデータから分かること、分からないことをまとめてみた。

 まず、2月25日行われた東京都のモニタリング会議での専門家の主なコメントを以下に紹介する。

ア)新規陽性者数の7日間平均は、2月23日時点で約13,057人/日に減少したものの、依然として極めて高い値で留まっており、同規模の感染状況が長期化する危機に直面している

イ)小中学校の学級閉鎖や、保育園・幼稚園の休園により、欠勤せざるを得ない保護者等が多数発生しており、社会機能の低下が危惧される。家庭や日常生活において、誰もが、感染者や濃厚接触者となる可能性があることを意識し、自ら身を守る行動を徹底する必要がある

ウ)感染の中心である若年層及び高齢者層を含めた誰もが、感染者や濃厚接触者になる可能性があることを意識し、自ら身を守る行動を徹底する必要がある

エ)重症化リスクの高い65歳以上の新規陽性者数の7日間平均は、非常に高い値で推移している

オ)今週の濃厚接触者における感染経路別の割合は、同居する人からの感染が68.7%と最も多かった。次いで施設(施設とは「特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院、保育園、学校等の教育施設等」をいう)及び通所介護の施設での感染が19.2%、職場での感染が5.4%、会食による感染が0.9%であった

 また、接触歴等不明者数については次のようにコメントしている。

①接触歴等不明者数は、依然として極めて高い値で推移している。接触歴等不明者の周囲には陽性者が潜在していることに注意が必要である

②新規陽性者における接触歴等不明者の増加比が100%を超えることは、感染拡大の指標となる。2月23日時点の増加比は、前回の約79%から約86%となった

③今週の年代別の接触歴等不明者の割合は、20 代で70%を超えている

④いつどこで感染したか分からないとする陽性者が、幅広い年代で高い割合となっている

 さらに注目すべきことも報告されている。「今週の保健所別届出数を多い順に見ると、多摩府中6,628人(6.8%)と最も多く、次いで江戸川6,494人(6.6%)、世田谷6,387人(6.5%)、大田区5,381人(5.5%)、足立5,115人(5.2%)であった」というデータだ。これらの地域は人口が多いエリアではあるが、感染者は都心部から準都心部へ広がりつつあるということのようだ。

◇        ◆     ◇

 都の感染状況データから、第5波(2021年10月1日まで)と第6波(2022年1月1日~2月26日)の年代別・性別感染者をグラフで示した。

 年代別感染者比率を第5波⇒第6波で示すと、10歳未満4.3%⇒14.3%、10代7.5%⇒11.6%、20代28.9%⇒19.5%、30代19.8%⇒17.4%、40代15.8%⇒16.2%、50代11.9%⇒9.7%、60代4.9%⇒4.8%、70歳以上6.7%⇒6.4%となっている。

 この数字から、10歳未満は10ポイント、10代は4.1ポイントそれぞれ増加している一方で、20代は絶対数も減少し、比率は9.4ポイント減と激減していることが分かる。他の年代では40代が0.4ポイント増加しているほかは各年代で減少。年少者の感染が増えていることとワクチン接種率との関係は不明だ。

 もう一つの特徴は男女比だ。第5波の感染者約38万人の男女比は男性56.0%:女性44.0%と男性比率が高く、年代では40代では男性61.1%:女性38.9%、30代では男性59.6%:女性40.4%とほぼ6:4の比率で、20代は男性53.3%:女性46.7%となっている。女性のほうが人口比率が高い高齢者を除いて男性が多数を占めている。

 ところが第6波の約59万人の感染者の男女比は全体で男性50.7%:女性49.3%と接近し、20代、30代、40代では女性比率が男性比率を上回る逆転現象が起きている。

 いったいこれはなぜか。ヒントになるのは、前段で紹介した「今週の濃厚接触者における感染経路別の割合は、同居する人からの感染が68.7%と最も多かった。次いで施設(施設とは「特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院、保育園、学校等の教育施設等」をいう)及び通所介護の施設での感染が19.2%、職場での感染が5.4%、会食による感染が0.9%」というデータだ。

 経路不明率が6割を超えることをさておき、三密が避けられない家庭や施設での感染が多く、意外と職場や会食は少ないことが分かる。

 しかし、家庭であろうと施設であろうと、コロナが自然発生するわけがないから、専門家が「いつどこで感染したか分からないとする陽性者が、幅広い年代で高い割合となっている」とコメントしているように杳として分からないのが現状のようだ。

 感染経路不明者割合はほぼ一貫して6割を超えている。積極的疫学調査は機能していないと言わざるを得ない。どこで感染するか分からず、「自ら身を守る行動を徹底する必要がある」と言われても、どうしたらいいか分かる人はいないのではないか。

 2月26日現在、累計感染者は約97万人、死者数は3,593人に達している。


 

 

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